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米国農務省、米国原産表示に関する規則案を発表(米国)

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 米国農務省(USDA)は3月6日、食肉・鶏卵製品を対象に「米国原産(Product of USA)」および「米国製(Made in the USA)」(以下「米国原産表示」という)の表示に関する規則案を発表した。本規則案では、米国内で産出、飼養、と畜、加工された家畜に由来する食肉・鶏卵製品にのみ米国原産表示を使用可能とすることとされた。  米国原産表示は任意であり、米国農務省食品安全検査局(USDA/FSIS)の事前承認を受ける必要はないが、表示を使用する場合はUSDA認証施設の検査官に根拠書類の提出が必要となる。USDAは本規則案についてパブリックコメントを6月11日まで実施した上で最終規則を施行する意向である。

1 規則案制定の背景

 現行規則では、輸入製品がUSDA認証施設で再加工・再包装された場合には米国製とみなされ、米国原産表示が可能となっている。さらに、USDA/FSISの規則に基づき、原産国表示については一般的に承認されたものとみなされ、根拠書類の提出は求められない。  このような中、米国肉用牛生産者協会(USCA)、米国グラスフェッド協会(AGA)、全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)などの肉用牛業界団体から現行規則の改正を要望する声が上がっていた(表1)。  これらの要望を受け、USDAのヴィルサック長官は2021年7月、現行規則を包括的に見直すことを表明した。その後、USDAは米国原産表示に対する消費者の認識を調査した結果、現行規則に基づく米国原産表示が消費者に誤認を招き得るものであるとして、今回の規則案の制定に至った。
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2 規則案に対する畜産業界の反応

 現行規則が消費者に誤解を与え、輸入牛肉加工企業に不当な市場優位性を作り出すことで、米国肉用牛生産者が実質的な経済的損害を被っていると主張してきたUSCAやAGAは、今回の規則案への支持を表明した。  一方で、一律に米国原産表示を規定せず、輸入牛肉を米国で加工した場合には「米国加工(Processed in the USA)」との表示が可能となることを要望してきたNCBAは、今回の規則案では輸入牛肉を排除するだけであり、市場主導型の表示を弱体化する不十分なものであるとして不支持の立場を表明した。  さらに、北米食肉協会(NAMI)も、輸入食肉が原料であっても米国の労働者が生産し、USDAの検査を受けているソーセージ、ベーコン、ハム、ひき肉などの人気製品が米国原産表示から除外されることになり、食肉加工企業が他国の食肉を敬遠することに繋がりかねないものであるとして、同じく不支持の立場を表明した。  生産者を会員とする団体、食肉企業を会員とする団体、その両者を会員とする団体によって立場が分かれているようであり(表2)、今後の規則案の動向に注目が集まる。
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【調査情報部 令和5年4月24日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部)
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