2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月13日、2022/23年度第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
第2期作トウモロコシの播種作業はほぼ終了
2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より20万2300トン上方修正され、1億2487万9700トン(前年度比10.4%増)と前年度をかなりの程度上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より48万2700トン上方修正され、2724万700トン(同8.8%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。これは、南部のリオグランデドスル州でラニーニャ現象の影響による乾燥から当初予想より生産量が引き下げられたものの、その他の地域でおおむね天候に恵まれ生産が順調であるためである。なお、収穫作業(4月9日現在)は作付面積の51%で終了し、前年同期より6ポイント遅れている。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作は、前回より28万600トン下方修正され、9532万3900トン(同11.0%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。播種作業はほぼ終了しており、播種後は定期的な降雨に恵まれ順調に生育している。ただし、主産地である中西部や南部の州をはじめとした地域で大豆の収穫作業の遅れなどにより播種適期から外れて播種が行われたため、これらの地域では今後、降水量や気温などの気候リスクが高まることが予想されている。同じく全生産量の2%程度を占める第3期作は、前回と同じく231万5000トン(同4.7%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。
大豆生産量、主産地での好条件を反映して前回より上方修正
2022/23年度の大豆生産量は、前回より221万3600トン上方修正され、1億5363万3000トン(前年度比22.4%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度より5.0%増加するとともに主産地での良好な生育条件を反映して単収が16.6%増と大幅な増加が見込まれるためである。南部のリオグランデドスル州では、トウモロコシと同様ラニーニャ現象により当初予想より生産量が引き下げられたものの、マトピバ地域や中西部のマットグロッソ州をはじめとするその他の地域で記録的な生産量となった。収穫作業(4月9日現在)は作付面積の78%で終了し、前年同期より7ポイント遅れている。
需給動向を見ると、輸出量は、生産量が上方修正されたことに伴い135万9000トン上方修正され9434万9000トン(前年度比19.8%増)と見込まれている。また、加工量は、5月からディーゼル車へのバイオディーゼル混合比率が10%から12%に引き上げられるが、当初の改定後の混合比率(15%)より低いため44万2000トン下方修正され5230万3000トンと見込まれている。このため、期末在庫量は121万3900トン上方修正され670万4000トン(同113.9%増)になると見込まれている。
【井田 俊二 令和5年4月25日発】
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