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22年のEU豚肉生産量は減少に転じる、23年も減少予測(EU)

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 欧州委員会が3月30日に公表した農畜産物の短期的需給見通しの中で、2015年以降増加傾向で推移してきた豚肉生産量は22年に減少に転じたことが明らかとなった。また、23年はさらに減少すると予測している。
 22年のEUの豚肉生産量は14年以来の低水準となる2228万トン(前年比5.6%減)に落ち込んだ。枝肉重量は21年並み(同0.3%減)となったものの、飼養頭数およびと畜頭数の落ち込みが生産量の減少につながった(図1)。
 この要因について欧州委員会は、生産コストの高騰、アフリカ豚熱(ASF)の感染継続による輸出需要の減退としている。
表 オランダ上院の議席数の見通し
 国別に見ると、生産量の86%を占める上位8か国すべてで生産量が減少したが、特にドイツ、ポーランド、ベルギーがそれぞれ前年比9%以上の減少幅となった(表1)。
表1
 ドイツ養豚協会(ISN)によると、同国の豚肉生産量の減少要因として、前述の生産コストの上昇などに加え、経済情勢が不安定で養豚を継続するための見通しが立てづらいこと、また、環境規制の厳格化が続き政策面での支援が十分でないことを挙げている。さらに、ASFの発生による中国向け輸出の停止から輸出できなかった豚肉が国内に滞留したことで、デンマークなどの域内他国から輸入した子豚を肥育するシステムの維持が難しくなったことや、同様にと畜用に運搬される生体豚が減少したことも影響したとしている。
 ISNは、繁殖経営、肥育経営ともこの3年間にわたり経済的に厳しい状況に置かれていたことから、この減少は驚くに当たらないとしている。一方、前向きな材料として、生産コストが高止まりしているものの、豚肉生産量が減少し在庫も削減されてきたことから、価格が上昇していることを挙げている。今後、適切な水準まで生体豚価格に反映されることで、生産者の利益が確保されることを期待している。
 ポーランドの減少要因については、ドイツと同様、生産コストの上昇による利益の減少やASFの発生による頭数減少が挙げられる。特に中小規模の生産者が多数離農しており、現地報道によると、この3年間で半数の生産者が離農したとされている。
 
 23年の需給見通しについて欧州委員会は、22年12月時点の母豚の飼養頭数が21年に引き続き減少していること、また、現時点ではASFの具体的な収束時期が見通せないことから、生産量および輸出量は22年に引き続き減少と予測している(図2)。
図2
【調査情報部 令和5年4月27日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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