米食肉業界、食肉消費に関する調査結果を公表(その2:家庭内調理の動向)(米国)
北米食肉協会(NAMI)と食品産業協会(FMI)は3月6日、食肉消費に関する消費者アンケート調査報告書「パワー・オブ・ミート2023」を公表した。この中で、2022年の家庭内における食肉調理の動向について、世代別にとりまとめている。本調査は22年12月に18歳〜から75歳までの1607人の消費者を対象として実施された。
本報告書によると、生鮮、加工、冷凍、加熱済み、調理済みのものなどさまざまな食肉製品について、消費者が1週間のうち家庭内で夕食に利用する回数は平均4.0回であった。外食の頻度が低下したことにより、2017年と同程度の水準となっている(図1)。
また、夕食を調理する際に「ほとんど一から調理する」と回答した消費者が45%、「加熱済み・調理済み食品も組み合わせる」と回答した消費者が47%と何かしらの調理を行う消費者がほとんどである(図2)。加熱済み・調理済み食品も組み合わせる消費者にとって、スーパーマーケットなどで売られているミートローフ、ミートボール、マリネ・味付け済みの食肉製品など、いわゆる「付加価値食肉」は手軽な家庭内調理に使用できる食材としてミレニアル世代(注)や子供のいる家庭で人気が続いている(図3)。
(注)Z世代:18歳〜20代前半、ミレニアル世代:20代後半〜30代、X世代:40代〜50代前半、ブーマー世代:50代後半〜75歳
また、食肉は特別な日に食べられることが多く、その中でもホリデーシーズンや年末年始、サンクスギビングデー(感謝祭:毎年11月第4木曜日)には家庭内で食肉を調理する消費者が多い(図4)。サンクスギビングデーには七面鳥肉を食べる風習があるが、最近では七面鳥肉以外の食肉を食べているとの意見もあった。
家庭内で調理する際のレシピの調べ方を見ると、新型コロナウイルス感染症の拡大(パンデミック)時に新たなレシピに挑戦する消費者が増加したことから、既に知っているレシピを活用する消費者が大幅に減少している(表1)。多くの消費者がレシピサイトやYouTubeを参考にしている他、若年層を中心にFacebook、TikTok、Instagram、PinterestといったSNSを活用するようになってきているという。
家庭内での食肉調理に用いる調理器具・家電にも変化が表れている。コンロやオーブンが最も食肉調理に使用されることに変わりはないが、エアフライヤー(油不使用揚げ物調理家電)やインスタントポット(多機能調理家電)といった新たな調理家電の使用者が増加している(表2)。ミレニアル世代を中心に、このような新たな技術を家庭に取り入れることで、より簡単に、より早く、時には健康的な調理を試みているようだ。
【調査情報部 令和5年5月18日発】
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