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2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第8回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は5月11日、2022/23年度第8回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

第2期作トウモロコシの播種作業は終了

 2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より65万6200トン上方修正され、1億2553万5900トン(前年度比11.0%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より19万1900トン下方修正されたものの、2704万8800トン(同8.1%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。これは、ラニーニャ現象による不規則な降雨の影響で単収が低下した南部のリオグランデドスル州を除き、その他の州で生産がおおむね順調なためである。なお、収穫作業は作付面積の63.6%で終了しており、前年同期より2.1ポイント遅れているが、その差は前回(6ポイント)より縮小した。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作は、前回より81万3600トン上方修正され、9613万7500トン(同11.9%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。中西部や南部といった主産地では、大豆の収穫作業の遅れにより多くの地域で播種適期より遅れてトウモロコシの播種が行われたが、これまでその影響は見られない。播種作業はすべての地域で終了し生育段階にあるが、今後の生産量を占う上で5月の天候状況が重要なポイントとされる。同じく全生産量の2%程度を占める第3期作はすべての地域で播種が始まっており、前回より3万4700トン上方修正され、234万9700トン(同6.2%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。

大豆の収穫作業は作付面積の93.7%で終了

 2022/23年度の大豆生産量は、前回より117万7700トン上方修正され、1億5481万700トン(前年度比23.3%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、ラニーニャ現象による不規則な降雨の影響を受けた南部のリオグランデドスル州を除き、ほぼすべての州で生育中に好天に恵まれたためであり、作付面積は前年度より5.6%増加、単収が16.7%増と大幅に増加となった。なお、収穫作業は作付面積の93.7%で終了しており、北部、北東部および南部の地域を中心に作業が続けられ6月まで続くと見込まれている。
 需給動向を見ると、輸出量は、生産量が上方修正されたことに伴い72万3300トン上方修正され9507万2200トン(前年度比20.8%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。また、大豆かすの輸出量については、世界最大の輸出国であるアルゼンチンが干ばつによる大幅な生産減となる中で、これまでの最大の水準になると見込まれている。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和5年5月23日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472