2022年の農家経済調査結果を発表(韓国)
最終更新日:2023年6月22日
韓国統計庁は5月18日、2022年の農家経済調査結果を発表した。本調査は、農業法人を除く全国の農家から3000戸を抽出し、前年の1月1日から12月31日までの所得、支出、資産および負債について調査したものであり、毎年4月下旬から5月下旬に公表される。
1 農家平均所得
2022年の農家平均所得は、4615万3000ウォン(前年比3.4%減、498万4524円:100ウォン=10.8円(注))と前年からやや減少した(表1)。農業所得以外の項目は前年に比べて増加したものの、農業所得の減少が影響した。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年5月末TTS相場。
22年の農業所得は、畜産物、米穀、野菜などの販売収入の減少により農業粗収益が前年比7.0%減となった上に、肥料費や飼料費の増加により農業経営費が同3.7%増となったことで、948万5000ウォン(同26.8%減、102万4380円)と大幅に減少した。一方、農業外所得は、主に飲食業、宿泊業などの収入が増加したため、1920万2000ウォン(同7.4%増、207万3816円)となった。
2 農家の家計支出
2022年の家計支出は、非消費支出が減少したものの、主体となる消費支出が増加したことで、前年比0.6%増の3569万6000ウォン(385万5168円)となった(表2)。消費支出は、食料品費、宿泊費、交通費、娯楽費などの増加により、同1.1%増となった。
3 農家の資産および負債
2022年の資産については、固定資産、流動資産ともに増加し、前年比5.3%増の6億1646万7000ウォン(6657万8436円)となった(表3)。固定資産は、地価や建物などの評価額上昇により同6.1%増となり、流動資産も、預金などの金融資産の増加により同0.5%増となった。一方、負債は、農業用資金、農業以外の事業用資金、家計用資金のいずれも借入額が減少したことで、同4.3%減の3502万2000ウォン(378万2376円)となった。
4 部門別の農家平均所得
2022年の農家平均所得を部門別に見ると、畜産経営が最も多く、畜産経営以外は農家平均を下回っている(表4)。ただし、畜産経営は前年比で見ると大幅に減少(前年比31.4%減)しており、コロナ禍における家庭消費需要増の緩和から食肉価格が平年の水準に戻ったことや、鳥インフルエンザにより高騰した鶏卵価格が下落に転じたことが影響した。また、野菜と水稲経営も同様に前年から減少したが、果樹経営のみ、取引価格の上昇を背景に前年から増加した。
22年の畜産経営の特徴として、例年と同様、農家平均所得だけではなく、家計支出、資産、負債のいずれの指標も他の経営品目を上回っていることが挙げられる。これは施設や畜舎などの建物の整備に関する費用負担が大きく、資産が農家平均の1.9倍であるのに対し、負債は農家平均の3.3倍となるなど、投入コストの高さがうかがえる結果となった。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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