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2023年のカナダ肉用牛・牛肉の需給見通しを発表(カナダ)

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 4月19日、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2023年のカナダの肉用牛の飼養動向および牛肉の需給見通しを発表した。これによれば、23年の牛肉生産量は、と畜頭数の減少から前年比1.4%減の138万トン、一方で、同年の牛肉輸出量については、国内で減産が想定される中、国外からの堅調な需要により、前年比0.9%増の59万トンと見込まれている。以下にその概況を報告する。

1 肉用牛の飼養動向

(1)飼養頭数は前年比2.0%減

 2023年1月時点の牛飼養頭数(乳牛を含む)は、1127万頭(前年比2.0%減)とわずかに減少した(表1)。このうち肉用牛については、前年から繁殖雌牛の淘汰(とうた)が進んだことにより356万頭(同2.5%減)と1990年以来最低水準となった。また、繁殖雌牛の減少により、23年の子牛の出生頭数についても425万頭(同3.5%減)と減少が見込まれている。

(2)と畜頭数は前年比0.7%減

 2023年のと畜頭数は、飼養頭数が減少傾向にある中でも369万頭(前年比0.7%減)とわずかな減少が見込まれている(表1)。カナダでは、業界内での労働力不足が解消されておらず、23年初頭には東部オンタリオ州の連邦食肉処理加工施設が操業停止になるなど、と畜処理加工能力の低下が続いている。

(3)生体牛輸入、輸出ともに前年を下回る

 2023年の生体牛輸入は、最大の輸入先である米国の供給不足により、20万頭(前年比31.0%減)と大幅な減少が見込まれている(表1)。また、生体牛輸出についても飼養頭数が減少する中、71万頭(前年比6.6%減)とかなりの程度減少が見込まれている。
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2 牛肉の需給見通し

(1)生産量は前年比1.4%減

 2023年の牛肉生産量は、飼養頭数が減少傾向にある中、と畜頭数の減少から138万トン(前年比1.4%減)と見込まれている(表2)。近年、大部分の州における地価の上昇傾向が、生産コストの増加や新規参入の阻害要因となっており、増産に向けての課題とされている。

(2)牛肉消費量は前年比1.5%減

 2023年の牛肉消費量は、101万トン(前年比1.5%減)とわずかな減少が見込まれている(表2)。需要は新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に戻りつつあるが、価格の高騰からひき肉や低価格部位などへの需要が高まるとみられている。

(3)輸入量は前年並み、輸出量はわずかに増加

 2023年の牛肉輸入量は前年並みの22万トンと見込まれている(表2)。23年の輸出量については、国外からの堅調な需要により、59万トン(同0.9%増)とわずかな増加が見込まれている。輸出先別では、輸出量第2位の日本向けが、牛肉加工品の輸出再開などを背景に増加が見込まれている。
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【伊藤 瑞基 令和5年6月23日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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