2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第9回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は6月13日、2022/23年度第9回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
過去最高のトウモロコシ生産見込みも5月の降水量不足が生育に影響
2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より17万9400トン上方修正され、1億2571万5300トン(前年度比11.1%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、2707万6200トン(同8.2%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。これは、2年続けての干ばつで単収が低下した南部リオグランデドスル州を除くその他の州の生産が、おおむね順調なためである。5月は、ほとんどの地域で降水量が少なく乾燥気候となったことから収穫作業は順調に進み、作付面積の85.2%で終了している。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作は、前回より17万2100トン上方修正され、9630万9600トン(同12.1%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。ただし、今後の生産量を占う上で重要なポイントと見られた5月の天候は、ほとんどの地域で降水量が少なく乾燥気候となったため、特に播種が遅かった地域で生育に悪影響を及ぼししている。最大の生産州である中西部マットグロッソ州では、播種が遅れた地域が少なくこの影響は軽微とされた。一方、北東部ピアウイ州、中西部ゴイアス州、南部パラナ州などでは、この影響により単収が低下すると見込まれている。なお、収穫作業は5月末に始まり初期段階であるが、低温と降雨の影響により前年同期と比べて遅れている。
同じく全生産量の2%程度を占める第3期作は、232万9900トン(同5.3%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。肥料など生産コストの上昇により作付面積が前年度より減少したものの、単収の増加が寄与している。なお、4月に始まった播種作業は一部地域で続いており、6月に終了する予定である。
大豆の収穫作業はほぼ終了
2022/23年度の大豆生産量は、前回より92万5800トン上方修正され、1億5573万6500トン(前年度比24.0%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、2年続けての干ばつから単収が低下した南部リオグランデドスル州を除くその他の州が天候条件に恵まれたため、作付面積が前年比6.1%増、単収が同16.9%増となったからである。今回は、マットグロッソ州、北部ロンドニア州、北東部ピアウイ州などで作付面積が上方修正された。なお、収穫作業は作付面積の99.9%とほぼ終了し、北東部マラニョン州などで6月まで続く予定である。
【井田 俊二 令和5年6月26日発】
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