2023/24年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月10日、2023/24年度第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。23/24年度穀物合計の生産量は、作付面積が前年並みとなるものの単収がわずかに減少することから、3億1745万7900トン(前年度比1.5%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。
23/24年度トウモロコシ生産量は3年ぶりに減少に転じる見込み
2023/24年度トウモロコシ生産量は、1億1940万4600トン(前年度比9.5%減)と前年度をかなりの程度下回り、3年ぶりに減少に転じると見込まれている。作付面積は、トウモロコシの市場価格が低水準となり他作物に転換する動きを反映し、2118万6900ヘクタール(同4.8%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。また、単収についても1ヘクタール当たり5.6トン(同4.9%減)と一部地域を除き天候に恵まれた前年度をやや下回ると見込まれている。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、2616万7100トン(同4.4%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。これは、トウモロコシ市場価格の低下による収益性の悪化から、生産者が大豆などに転換した結果、作付面積が同6.7%減と前年度をかなりの程度下回るためである。播種作業はエルニーニョ気象の影響により降雨に恵まれた南部で8月から始まり、作付面積の26.8%で終了(10月6日現在)し、前年同期と同程度の進捗状況となっている。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、9121万7800トン(同10.7%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
需給状況を見ると、23/24年度の消費量は、同6.1%増と前年度に続き増加傾向で推移すると見込まれている。一方、輸出量は、生産量の減少や米国産など国際市場での流通量の増加により3800万トン(同26.9%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。
23/24年度の大豆生産量は前年度に続き過去最大を更新する見込み
2023/24年度の大豆生産量は、1億6200万3400トン(前年度比4.8%増)と前年度をやや上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に続き最大値を更新すると見込まれている。作付面積は、トウモロコシからの転換などにより4518万2300ヘクタール(同2.5増)と前年度をわずかに上回ると見込まれている。また、単収は、昨年干ばつに見舞われた主産地の南部リオグランデドスル州がエルニーニョ気象による降水量の増加で大幅に回復することなどから、1ヘクタール当たり3.6トン(同2.2%増)と前年度をわずかに上回ると見込まれている。播種作業は中西部や南部の一部の州で9月から開始しており、作付面積の10.1%で終了(10月10日現在)し、前年同期と同程度の進捗状況となっている。
需給状況を見ると、23/24年度の輸出量は、生産量の増加を背景として1億214万4000トン(同4.8%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。また、加工量は、24年4月からバイオディーゼルの混合比率が12%から13%に引き上げられることからバイオディーゼル原料として大豆油生産が増加し、5502万2000トン(同4.2%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。
【井田 俊二 令和5年10月19日発】
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