米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2023年10月)
世界の生産量、消費量および輸出量は前回見込みから増加
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2023年10月12日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億1447万トン(前年度比5.1%増)と前月から18万トン上方修正され、前年度をやや上回り、過去2番目の生産量が見込まれている。地域別に見ると、米国は単収の減少見込みを受け、前月より177万トン下方修正されたが、アルゼンチンは収穫面積の増加、フランスは単収の増加見込みなどを受け上方修正された分がそれを上回った。
輸入量は、世界全体で1億8692万トン(同7.3%増)と引き続き前年度を上回るものの、前月から20万トン下方修正された。地域別に見ると、2大輸入国・地域であるEUは2400万トン(前年度同)、中国は2300万トン(同24.3%増)とそれぞれ前月から据え置かれた。
消費量は、世界全体で12億20万トン(同2.8%増)と前月から43万トン上方修正された。地域別に見ると、主要消費国である米国が前月から下方修正された一方、アルゼンチンおよびEUが上方修正された。
輸出量は、世界全体では1億9625万トン(同8.4%増)と前月から6万トン上方修正された。地域別に見ると、主要輸出国である米国が前月から下方修正された一方でアルゼンチンが上方修正された。
この結果、期末在庫は3億1240万トン(同4.8%増)と前月から159万トン下方修正され、前年度からやや増加するも、21/22年度の水準になると見込まれている。
作付面積拡大により生産量は増加見込み
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
生産量は、150億6400万ブッシェル(3億8264万トン(注1)、前年度比9.8%増)と前月から7000万ブッシェル(177万8070トン)下方修正されたが、16/17年度、21/22年度に次ぐ過去3番目の生産量が見込まれている。
消費量は、123億1500万ブッシェル(3億1281万トン、同1.7%増)と前月から下方修正されたものの、わずかに増加すると見込まれている。用途別では、前年度から飼料向けの数量がわずかに減少すると見込まれている。
輸出量は、20億2500万ブッシェル(5144万トン、同21.9%増)と前月から下方修正されたものの、前年度から大幅に増加すると見込まれている。
期末在庫は、21億1100万ブッシェル(5362万トン、同55.1%増)と前月から110万ブッシェル(3万トン)下方修正されたものの、前年度から大幅に増加すると見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.7%(同4.8ポイント増)と前月から0.7ポイント減少したが、昨年を上回る水準が予測されている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.95米ドル(745円。1キログラム当たり29.3円:1米ドル=150.58円(注2)、同24.3%安)と前年度からは大幅に下落すると見込まれている。
【高田 勇一 令和5年10月20日発】
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