2023/24年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第2回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は11月9日、2023/24年度第2回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
23/24年度トウモロコシ輸出量は生産減などにより大幅に減少する見込み
2023/24年度のトウモロコシ生産量は、前回より33万8200トン下方修正され1億1906万6400トン(前年度比9.6%減)と前年度をかなりの程度下回り、3年ぶりに減少に転じると見込まれている。作付面積(同5.0%減)、単収(同4.8%減)とも前年度をやや下回ると見込まれていることが生産減につながっている。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より30万7000トン下方修正され2586万100トン(同5.5%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。これは、多くの地域でトウモロコシよりも収益性の高い大豆などへ転作が進んでいることで、作付面積が410万400ヘクタール(同7.7%減)と前年度をかなりの程度下回ったためである。播種作業は南部を中心に進み、作付面積の40.2%で終了(11月6日現在)した。現在、播種作業は南部地域を中心に行われているが、これらの地域では、過度の降雨や日照不足により作業の遅れや作物の初期生育への悪影響などが報告されている。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、作付面積(同4.5%減)、単収(同6.5%減)とも減少し、9122万2600トン(同10.7%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
需給状況を見ると、23/24年度の消費量は、同6.1%増と引き続き増加傾向で推移する一方、輸出量は、生産量の減少や国際市場での北米産流通量の増加により3800万トン(同26.9%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。
23/24年度大豆播種は不安定な気象の影響により作業の遅れが発生
2022/23年度の大豆生産量は、前回より41万7500トン上方修正され、1億6242万900トン(前年度比5.1%増)と前年度をやや上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、トウモロコシからの転作により作付面積(同2.8%増)が増加することに加え、単収(同2.2%増)もわずかに前年度を上回るためである。
一方、播種作業はエルニーニョ気象の影響により、各生産地でさまざまな障害が発生している。最大の生産州である中西部のマットグロッソ州では、いくつかの地域で不規則な降雨と高温により播種作業が中断し、一部で再播種が必要な状況となるなど作業が大幅に遅れている。また、これに次ぐ生産州の南部パラナ州やリオグランデドスル州では、10月の大雨により播種作業の遅れや作物の初期生育への悪影響がみられる。このため、ブラジル全体の播種作業は、作付面積の40.2%で終了(11月6日現在)したが、前年同期(作付面積の57.5%)と比べ9.1ポイント遅れている。
【井田 俊二 令和5年11月20日発】
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