米国農務省による世界の大豆需給予測（2024年1月）

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA/WAOB）および米国農務省海外農業局（USDA/FAS）は2024年1月12日、2023/24年度の世界の大豆需給予測値を更新した（表）。
　これによると、世界の生産量は3億9898万トン（前年度比6.3％増）と前月から10万トン上方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは、主産地のマットグロッソ州南部やブラジル北東部での高温と乾燥懸念により前月から400万トン下方修正された。一方、これに次ぐ米国は、単収の上方修正（1エーカー当たり49.9ブッシェルから同50.6ブッシェル）により前月から95万トン上方修正された。また、干ばつの影響が懸念されていたアルゼンチンやパラグアイ、ウルグアイはいずれも前月から上方修正され、中国も豊作により同じく34万トン上方修正されたことなどで、全体的にブラジルの減少分を補う結果となった。
　輸入量は、世界全体で1億6835万トン（同2.1％増）と前月から70万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は前回から据え置かれた。
　消費量（搾油仕向け）は、世界全体で3億2940万トン（同4.9％増）と前月から10万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は輸入量と同様に前月から据え置かれた。
　輸出量は、世界全体で1億7094万トン（同0.4％減）と前月から65万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジル、これに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれた。
この結果、期末在庫は1億1460万トン（同12.5％増）と前月から39万トン上方修正され、引き続き前年度水準をかなり大きく上回っている。
　現地情報によると、今回、米国の単収の引き上げは事前の市場予測を上回った一方で、ブラジルの生産量は依然として民間予測を上回っていることから、引き続き両国の生産動向に注視が必要とされている。