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24年1月の牛飼養頭数、1951年以来の最低水準に(米国)

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 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は1月31日、最新の米国の牛飼養動向に関する報告書を公表した。これによると、本年1月1日時点の牛総飼養頭数は、8715万7000頭(前年同月比1.9%減)と減少し、5年連続で前年を下回った(表1)。
 米国の肉牛飼養頭数は通常、いわゆるキャトルサイクルと呼ばれる周期的な変動を繰り返す。現地報道によると、現在は牛群が縮小する局面に当たり、過去2年は歴史的な干ばつの影響による繁殖雌牛の淘汰(とうた)が進んだことで、24年の飼養頭数は1951年以来の最低水準になったとされている(図1)。
 内訳を見ると、繁殖雌牛(経産牛)が同2.0%減の3758万頭、未経産牛が同1.5%減の1848万頭、去勢牛が同1.7%減の1579頭といずれも減少している(表1)。さらに経産牛と未経産牛の内訳を見ると、経産牛(肉用牛)が同2.5%減、未経産牛(肉用牛)が同1.5%減と、乳用牛に比べ肉用牛の頭数減少が顕著になっている。また、子牛が同2.7%減の1329万頭と減少していることから、短期的の増頭は見込めず、今後数年にかけてさらなる頭数の減少も予測されている。
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 こうした状況を踏まえUSDAは、24年の牛肉生産量について、飼養頭数の減少により前年を下回る1184万3000トン(前年比3.2%減)と予測している。また、同年の牛肉輸出量についても国内の牛肉生産量が減少する中、主要輸出先である日本や韓国などの輸入需要の減少が続くことから、前年比7.6%減の126万3300トンと予測している。
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【伊藤 瑞基 令和6年2月9日発】
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