農相理事会開催後、生産者が直面している問題の緩和と解決のために支援を約束するとともに、今年に入って提案されていた次の対応案の実施を歓迎するとのプレスリリースを公表した。
(1)GAEC8
(注1)で定める休耕義務の一時免除
耕地の4%の休耕の代替として耕地の7%でのマメ科植物などの窒素固定作物の栽培や、主要作物栽培期間のはざまに窒素固定作物を播種し、家畜の飼料や緑肥とすることで、休耕義務を果たしたこととみなす。
(注1)加盟国が定義する「良好な農業環境要件(GAEC)」と呼ばれる環境保全などに関する条件で、直接支払いを受けるためにその遵守が求められている。畜産の情報「欧州グリーン・ディール下で進められる農業・畜産業に影響する各種政策」もご参照ください。
(2)F2F戦略(Farm to Fork strategy)で掲げた「2030 年までに化学農薬の使用とリスクを50%削減」する目標を、法的に裏付ける「農薬の持続可能な使用に関する規則(SUR)」の提案の撤回
(3)ウクライナからの輸入に対する自主貿易措置の延長
(注2)に関し、家きん肉、卵、砂糖に関して設けられたセーフガードの措置
(注2)海外情報「欧州委員会がウクライナ産農畜産物に対する国境措置の停止措置延長を提案(EU)」をご参照ください。
これらに加え、欧州委員会から2月22日に提案された次の内容についても賛意を表明した。
(4)永年牧草地の面積を基準年(2018年)以上に保つとしたGAEC1の運用を緩和し、基準年以降に畜産から穀物生産に移行した生産者の救済
(5)GAEC6に定める土壌保全(土壌の被覆)義務の緩和
(6)当局による衛星画像を利用した訪問回数の削減などによる行政手続きの緩和
また、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は1月25日、次期共通農業政策に反映させるため、EUの農業および食品システムの将来についての共通の展望を、2024年夏までに策定することを目的とする戦略的対話の開始を発表した。