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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年3月)

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主要国の生産量は据え置き、輸出増で期末在庫は微減も高水準を維持

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2024年3月8日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界の生産量は12億3024万トン(前年度比6.3%増)と前月から233万トン下方修正された。このうち、主要生産国である米国、中国およびブラジルはいずれも前月から据え置かれたが、単収の減少が見込まれる南アフリカ、また、収穫結果に基づくウクライナやロシアなどの減少分が反映された。
 輸入量は、世界全体で1億8948万トン(同9.8%増)と前月から34万トン下方修正された。このうち、EUは前月から100万トン下方修正されたが、メキシコや南アフリカが上方修正されたことで、EUの減少分の一部が相殺された。
 消費量は、世界全体で12億1224万トン(同3.9%増)と前月から148万トン上方修正された。このうち、主要消費国である米国、中国は前月から据え置かれたが、ブラジルは100万トン上方修正、EUは100万トン下方修正された。
 輸出量は、世界全体で2億227万トン(同12.3%増)と前月から145万トン上方修正された。このうち、アルゼンチンは生産量の増加見込みを受けて前月から100万トン、ウクライナは輸出実績を踏まえて150万トンそれぞれ上方修正された。
 この結果、期末在庫は3億1963万トン(同6.0%増)と前月から243万トン下方修正されたが、前年度からかなりの程度増加が見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシ需給見通し(2024年3月8日米国農務省公表)

米国の生産量、輸出量などは据え置きも、生産者平均価格は下方修正

 USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
 今回はすべての項目が前月から据え置かれたが、生産者平均販売価格は直近の需給緩和を反映して下方修正された。
 生産量は、153億4200万ブッシェル(3億8970万トン(注1)、前年度比12.4%増)と前月から据え置かれた。
 消費量は、124億5500万ブッシェル(3億1637万トン、同3.4%増)と前月から据え置かれた。
 輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から据え置かれ、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 期末在庫は、21億7200万ブッシェル(5517万トン、同59.7%増)と前月から据え置かれ、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.9%(同5.0ポイント増)と前月から据え置かれ、前年度を上回る水準が見込まれている。
 生産者平均販売価格は、前月から5セント下方修正の1ブッシェル当たり4.75米ドル(720円。1キログラム当たり28.4円:1米ドル=151.67円(注2)、同27.4%安)と大幅な下落が見込まれている。
表2 米国のトウモロコシ需給見通し(2024年3月8日米国農務省公表)
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年2月末TTS相場。
【横田 徹 令和6年3月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9174