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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年4月)

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トウモロコシ生産量は下方修正も、期末在庫は高水準を維持

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2024年4月11日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界の生産量は12億2786万トン(前年度比6.1%増)と前月から238万トン下方修正された。このうち、主要生産国である米国、中国およびブラジルはいずれも前月から据え置かれたが、単収の減少が見込まれるアルゼンチン(前月から100万トン下方修正)や南アフリカ(同150トン下方修正)などが下方修正された。また、同日に公表されたブラジル国家食糧供給公社(CONAB)による同国のトウモロコシ生産量が下方修正(1億1275万トンから1億1096万トン)されたことで、USDAの予測値との差が拡大している。
 輸入量は、世界全体で1億8747万トン(同8.5%増)と前月から201万トン下方修正された。このうち、EUは前月と同じく100万トン下方修正された。
 消費量は、世界全体で12億1177万トン(同3.9%増)と前月から47万トン下方修正された。このうち、主要消費国である米国は、飼料向けなどの増加見込みから127万トン上方修正された一方、アルゼンチンは100万トン下方修正された。
 輸出量は、世界全体で2億59万トン(同11.3%増)と前月から168万トン下方修正された。米国、ブラジルなど主要輸出国はいずれも前月から据え置かれた。
 この結果、期末在庫は3億1828万トン(同5.3%増)と前月から135万トン下方修正されたが、引き続き前年度からの増加が見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシ需給見通し(2024年4月11日USDA公表)

米国のトウモロコシ消費量は増加、生産者価格は引き続き下方修正

 USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
 今回は生産量、輸出量、輸入量がいずれも前月から据え置かれる中で、消費量は上方修正される一方、生産者平均販売価格は前月に続き下方修正された。
 項目別に見ると、生産量は153億4200万ブッシェル(3億8970万トン(注1)、前年度比12.4%増)と前月から据え置かれた。
 消費量は、125億500万ブッシェル(3億1764万トン、同3.8%増)と前月から上方修正された。このうち、飼料など向けとエタノール向けがそれぞれ2500万ブッシェル増加した。
 輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から据え置かれ、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 この結果、期末在庫は21億2200万ブッシェル(5390万トン、同56.0%増)と前月から下方修正されたが、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.5%(同4.6ポイント増)と前月から下方修正されたが、同じく前年度を上回る水準が見込まれている。
 生産者平均販売価格は、前月から5セント下方修正の1ブッシェル当たり4.70米ドル(716円。1キログラム当たり28.2円:1米ドル=152.41円(注2)、同28.1%安)と大幅な下落が見込まれている。
表2 米国のトウモロコシ需給見通し(2024年4月11日USDA公表)
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年3月末TTS相場。
【横田 徹 令和6年4月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4394