畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2024年 > 2023/24年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表 (ブラジル)

2023/24年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表 (ブラジル)

印刷ページ
 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月11日、2023/24年度第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

23/24年度トウモロコシ生産量は第2期作を中心に引き続き下方修正

 2023/24年度のトウモロコシ生産量は、前回より178万9000トン下方修正の1億1096万3700トン(前年度比15.9%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、収益性低下により作付面積が減少(同8.5%減)するとともに、悪天候などにより単収が減少(同8.1%減)したためである。
 このうち、全生産量の5分の1を占める第1期作の生産量は、2335万6200トン(同14.7%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。エルニーニョ現象の影響により23年10〜11月に南部地域で大雨や日照不足となる一方、中西部や南東部地域などでは不規則な降雨、水不足および高温となったことで、播種作業の遅れや作物の初期生育に大きな影響を及ぼした。州別に見ると、主産地では前年度に不作となった南部リオグランデドスル州を除き、いずれも前年度の生産量を下回った。全体の収穫作業は、4月初旬時点で作付面積のほぼ半数が終了した。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、前回より173万1800トン下方修正の8561万6800トン(同16.4%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。最大の生産州である中西部マットグロッソ州では、作物が順調に生育する一方、中西部マットグロッソドスル州や南部パラナ州では3月の降水量が少なく、水不足による単収の低下が見込まれている。全体の播種作業は、4月初旬時点で作付面積のほぼすべてが終了した。
 23/24年度のトウモロコシ輸出量は、国内生産量の減少に加え、米国やアルゼンチン産の豊作を背景に国際市場での供給量が増加するため、前回より100万トン下方修正の3100万トン(前年度比43.3%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。一方、国内消費量は、前回より12万1000トン上方修正の8394万5400トン(同5.5%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。

23/24年度大豆生産量は悪天候による単収の低下で5回連続の下方修正

 2023/24年度の大豆生産量は、前回より33万6700トン下方修正の1億4652万1800トン(前年度比5.2%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。中西部ゴイアス州など一部の州では、3月の降雨により単収が改善し生産量が上方修正される一方、マットグロッソドスル州、パラナ州、南東部サンパウロ州では、引き続き不規則な降雨と高温が作物の生育に影響を及ぼし生産性が低下したため、今回の生産量の下方修正につながった。この結果、大豆生産量は5回連続で下方修正されたが、これまで最大であった22/23年度に次ぐ高い水準が見込まれている。全体の収穫作業は、4月初旬時点で作付面積の77%が終了した。
 23/24年度の大豆輸出量は、大豆生産量が下方修正されたことから前回より7万1200トン下方修正され9225万8600トン(同9.4%減)、また、期末在庫量は、前回より26万9100トン下方修正され248万4600トン(同24.7%減)と見込まれている。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和6年4月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472