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2024/25年度のサトウキビ等の生産状況等の調査報告(第1回)を公表 (ブラジル)

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最終更新日:2024年5月9日

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月25日、2024/25年度(4月〜翌3月)第1回目のサトウキビ生産状況等調査報告を公表した。本報告は、同年度のサトウキビ、砂糖およびエタノールの生産予測などを四半期ごとに公表するものである。

サトウキビ収穫面積はやや増加の一方、生産量はやや減少見込み

 2024/25年度のサトウキビ収穫面積は、前年度に更新が行われた圃場(ほじょう)で新たな栽培が開始されるなど栽培面積が増えたことから、867万ヘクタール(前年度比4.1%増)とやや増加が見込まれている(表1)。
 単収は、23年に降雨量が前年を下回る時期があったことに加え、主産地である中南部地域を始めとした熱波による気温上昇がサトウキビの生産性を低下させ、24/25年度もこの影響が残ることから、1ヘクタール当たり79.1トン(同7.6%減)とかなりの程度減少が見込まれている。この熱波による気温上昇は、サトウキビの蒸散量を増加させ、土壌の水分不足を引き起こし、サトウキビの生育に影響を及ぼしたとされる。この結果、サトウキビ生産量は、6億8586万トン(同3.8%減)とやや減少が見込まれている。
 サトウキビの歩留まり指標となるATR(注)は、平均で136.0キログラム(同1.1%増)とわずかに増加が見込まれている。

(注)1トン当たりの平均回収糖分。ポルトガル語でAçúcar Total Recuperável(総回収可能糖量)の略。
表1

砂糖生産量はわずかに増加の一方、エタノール生産量はやや減少見込み

 砂糖生産量は、サトウキビ生産量がやや減少見通しである中、4629万トン(同1.3%増)とわずかに増加が見込まれている(表2)。引き続き国際市場での需要が期待され、24/25年度もエタノール生産に対して砂糖生産が優先される状況が続く見通しであることから、サンパウロ州、マットグロッソ州、北部地域を除いた地域では、砂糖生産量が23/24年度を上回る見通しである。なお、同国最大の砂糖生産量を誇るサンパウロ州では、2773万トン(同1.9%減)とわずかな減少が見込まれている。  エタノール生産量は341億8126万リットル(同4.0%減)とやや減少が見込まれている。内訳を見ると、約8割を占めるサトウキビ由来は、サトウキビの減産と砂糖生産への仕向け増加から、273億1681万リットル(同8.0%減)とかなりの程度減少が見込まれている。一方、トウモロコシ由来は、マットグロッソ州を中心とした中西部地域での設備投資の成果により、68億6445万リットル(同16.0%増)と大幅に増加が見込まれ、サトウキビ由来の減産を補うと予想されている。
表2
参考
【峯岸 啓之 令和6年5月9日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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