畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2024年 > スターバックス・カナダ、酪農の持続可能性を支援(カナダ)

スターバックス・カナダ、酪農の持続可能性を支援(カナダ)

印刷ページ
 スターバックス・カナダは4月29日、カナダ酪農の持続可能性の向上を支援するための新たな取り組みを発表した。具体的には、同国の酪農の持続可能性に焦点を当てた事業を支援するため50万カナダドル(5818万5000円:1カナダドル=116.37円(注1))を拠出する。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年4月末TTS相場。

1 取り組みの概要

 カナダ酪農の持続可能な農業を促す支援として「酪農持続可能性奨励プログラム」がある。これは、生産者への貸付などを行うカナダ農業公社(FCC)と乳牛群改良サービスを提供するラクタネットが共同で実施主体となり、環境管理を目的に優れた手法を導入し、一定の基準を満たした酪農家に対して年間最高2000カナダドル(23万2740円)の奨励金を支給するものである。
 今回、スターバックス・カナダは、同プログラムに「最も達成された手法(Top Achieving)」と「最も改善された手法(Most Improved)」という2つの賞を設け、追加で資金を提供する。
 今回の取り組みについて同社は、乳製品はスターバックスのメニューにとって欠かせないものであるとともに、2030年までに同社のCO2排出量、水使用量および廃棄物を50%削減するという、同社の掲げる目標にも合致するとしている。この追加の資金提供を盛り込んだ「酪農持続可能性奨励プログラム」への応募は、24年5月21日の開始が予定されている。

2 関係者の反応

 酪農生産者の全国組織であるカナダ酪農生産者協会(DFC:Dairy Farmers of Canada)のウィーンズ会長は「スターバックスの支援により、より多くの酪農家の持続可能性への取り組みが評価されるようになる。我々だけでは、目標としている2050年までにネット・ゼロ・エミッション(注2)の達成は困難であり、スターバックスの取り組みを歓迎する」と、賛意を示した。
 スターバックス・カナダのディグラ上席副社長は「日々乳製品を利用する企業として、我々には、持続可能な乳製品のために協力する責任がある。DFCとともにカナダの酪農家を支援し、すべての人にとって持続可能な酪農の未来を確かなものにしたい」と語った。
 FCCのグレンジャー取締役は「酪農持続可能性奨励プログラムに対するスターバックスの参加は、カナダの酪農家を支援する素晴らしい協力の事例である」と、取り組みを称賛した。
(注2)温室効果ガスの排出量から、吸収量や除去量を差し引いた合計をゼロにすること。
【小林 大祐 令和6年5月10日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9533