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中国農業農村部、農業資材の監督、安定供給に関する取組状況を公表(中国)

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最終更新日:2024年5月13日

 中国農業農村部は、国務院新聞弁公室主催のメディア向け定例会である「第1四半期農業農村経済状況の紹介会」(4月19日実施)において、化学肥料、農薬などの農業資材の粗悪品の監督やその安定供給に向けた取組状況を紹介、公表した。
 なお、この粗悪品への対応は、市場の管理を担う中国市場監督管理総局や公安局と協力した取り組みであり、利用者からの苦情・通報に基づいて取締りを実施するという、近年の中国政府の対応方針(注)と同じものである。
 (注)市場に出回る粗悪品に対する近年の中国政府の対応方向については海外情報『中国市場監督管理総局、2023年の市場取締り状況などを公表(中国)』(令和6年4月2日発)をご参照ください。

 参加した記者からの質問のうち、春期は化学肥料、農薬などの農業資材の購買・使用が年間で最も多い中で、農業農村部が農業資材の購買・使用について行った措置とその効果を問うものに対して、農業農村部種植業管理局の潘文博局長は次のように回答した。

農業資材の粗悪品の監督やその安定供給に向けた取組状況

 春の耕作で使用される化学肥料、農薬および種子の使用量は年間使用量のおよそ半分であり、これらの農業資材の供給を保障することは春期の重要な任務である。このため、農業農村部は関係機関と早くから協力してきた。
 総論としては、生産現場と販売関係企業のマッチングや、市場への資材配送の円滑化を強化するとともに、粗悪品や偽物の販売を取り締まった。取り組みの結果、春期に必要な農業資材の量は全体的に確保され、品質も保証され、価格も安定していると考える。加えて、種子については、歴史的にはまだ高い価格水準であるものの、多くの品種で価格の低下が見られるとの成果もあった。
 具体的に実施した措置は以下のとおりである。

1 粗悪品の取締り
 農業農村部は、公安部、市場監督管理総局などの関係部門と協力し、いわゆる農業資材偽物撲滅プロジェクトを各地で実施した。具体的には、農業資材の品質を管理するためのサンプル調査や監督を組織的に行うプロジェクトを立ち上げ、通報用の電話窓口を設置し、粗悪な農業資材を販売したり、農家を欺いたりするような違法行為を厳しく取り締まった。全国各地の農業関係部門の職員累計25万3000人が関連の取締り活動に従事し、農業資材の生産に関わる企業19万9000社を調査した。専門窓口で受理した通報は1146件であり、このうち1040件について違法性の調査を行った。

2 農業資材の供給業務の安定化
 農業資材について、供給状況と、農家における必要量の確保状況の調査頻度を高めることで、問題の把握を迅速に行い、かつ適時に解決した。その結果、例えば、全国の省および県(日本の市町村に相当)における農家への化学肥料の供給割合は、それぞれ95%と90%にまで及んだ。

3 農家指導の強化
 春期の種子使用、肥料使用、農薬使用に関する農家向け研修を実施した。化学肥料、種子および農薬の選択について啓蒙用のチラシを作成し、各地で合計7720回に及ぶ相談対応、研修を実施することで、農家による科学的な農業資材の選択、購入を指導した。

 今後、農業農村部は、関係機関と協力して粗悪な農業資材の撲滅に引き続き取組み、厳格に対処するとともに、通常業務として実施しているサンプル調査や検査も適切に行っていく。メディア各社には、我々の取組みを支持していただき、典型的な不適切事例があれば速やかに報道することをお願いするとしている。

【調査情報部 令和6年5月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530