カナダ国内の動物の健康や福祉向上などを目的とし、連邦政府、地方政府、業界団体などを構成員とするアニマルヘルスカナダ(AHC)は5月5日〜11日(緊急事態準備週間(注))にかけて、アフリカ豚熱(ASF)をはじめとした家畜伝染病対策の普及・啓発活動の一環として、同組織の取組事項をウェブサイトにて発信するとともに、畜産関係者に対して家畜伝染病対策への協力を呼びかけた。
カナダ国内ではこれまでASFの発生はないものの、2021年にドミニカ共和国など北米大陸周辺でASFの発生が確認されて以来、ASFの国内侵入防止・発生予防対策の強化を行っている。また、口蹄疫は1952年のサスカチュワン州での発生以来、確認されていない。
AHCは24年3月、カナダ農業・農産食品省(AAFC)やカナダ食品検査庁(CFIA)から支援を受け、ASFをはじめとした家畜伝染病の国内侵入防止対策としてサーベイランス(調査監視)の強化や業界内の管理体制の確立を通じた蔓延防止対策などについて、取り組みを強化すると発表している(表)。
(注)緊急事態準備週間(EP Week)は、あらゆる緊急時において、自分自身や家族、地域社会を守るための備えを盤石にするための行動を起こす機会として、カナダ公共安全省が州組織や民間組織などと共同して行う全国的なイベントである。 例年5月の第1週目に実施される。