豪州家畜輸出業者協会(ALEC:Australian Livestock Exporters Council)によると、生体家畜輸出業界(牛、羊、山羊、水牛など)は、年間約13億豪ドル(1364億円)の収入をもたらし、1万人の雇用を生み出す重要な産業となっている。その中でも収入の約9割を占める生体牛輸出は、肉用牛と乳牛に大別され、2023年の輸出額ベースでみると、約8割が肉用牛となっており、その多くが肥育・と畜用にインドネシアやベトナムに輸出されている。
豪州の生体家畜輸出は農林水産省(DAFF)が所管する輸出管理法2020(Export Control Act 2020)に加え、豪州家畜輸出基準(ASEL)ならびに輸出業者サプライチェーンシステム(ESCAS)の主要な2つのシステムにより高度に管理されている
(注2)。また、本報告書では、LIVEXCollect
(注3)と呼ばれるライブコープが運営・管理するデータ収集プラットフォームの統計データが用いられている。本システムは、関係者がいつでもデジタル上で関連データの閲覧が可能であり、業界による取り組みの効果などを可視化することで、過度な規制の抑制や動物福祉の向上に役立つとされている。
(注2)「畜産の情報」2022年11月号「豪州およびニュージーランドにおける生体牛輸出の現状」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_002464.html)をご参照ください。
(注3)豪州家畜輸出基準(ASEL)とも紐づいており、輸出前の検疫施設や海上・航空輸出業者による規制当局への報告に使用されている。