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米国農務省、世界の砂糖需給見通しを公表(米国)

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最終更新日:2024年5月31日

2024/25年度は生産増も、過去最高の消費量から期末在庫は減少見込み

 米国農務省(USDA)は2024年5月23日、2024/25年度の世界の砂糖需給予測値を公表した(表)。
 これによると、同年度の世界の砂糖生産量は、1億8602万トン(前年度比1.4%増)とわずかな増加が見込まれている。このうち、生産量第1位のブラジルは、4400万トン(同3.4%減)とやや減少が見込まれているが、堅調な需要からサトウキビの砂糖への仕向け割合が51%と前年度から2ポイント上回り、引き続き高い水準を維持するとされている。一方で、同2位のインドは早生種の作付けにより、3450万トン(同1.5%増)とわずかな増加が見込まれており、これに加えて中国やタイなどでの増産が、ブラジルの減産を補うとされている。
 輸入量は、5738万トン(同0.9%増)とわずかな増加が見込まれている。このうち、米国は国内生産の増加から減少とされたが、インドや中国では需給ギャップを埋めるための増加が見込まれている。
 消費量は、1億7879万トン(同0.8%増)とわずかに増加し、過去最高を更新すると見込まれている。このうち、消費量第1位のインドでは、各種行事での需要や砂糖、菓子類、ケータリングサービス市場などの成長により、3200万トン(同3.2%増)とやや増加が見込まれている。
 輸出量は、6583万トン(同3.5%減)とやや減少が見込まれている。このうち、輸出量第1位のブラジルは生産量減少の影響から3450万トン(同4.1%減)とやや減少が見込まれている。また、第3位のインドは370万トン(同19.6%減)と大幅な減少が見込まれている。インドでは、国内需要の確保とエタノール混合プログラム(注)により、引き続き輸出の制限が行われるとみられている。
 この結果、期末在庫は3834万トン(同4.7%減)とやや減少し、11/12年度以来の4000万トン台割れが見込まれている。

(注)インドでは、石油・天然ガス省が2018年にバイオ燃料に関する国家政策を作成し、30年までにガソリンに20%のエタノールを混合する(E20)目標が設定された。なお、22年6月に10%混合(E10)が達成されたことから、同目標の達成は25年に前倒しされているが、現在までの達成率は12%に留まっている。
表 主要国の砂糖の需給見通し
【調査情報部 岡田 真希奈 令和6年5月31日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:岡田 真希奈)
Tel:03-3583-4396