フィードロット飼養頭数、史上初めて130万頭を突破(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2024年5月30日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養動向調査の結果(24年1〜3月期)を公表した。
これによると、24年3月末のフィードロット飼養頭数は、過去最高であった前回(23年12月末)の記録を6万頭以上更新する135万4747頭(前年同期比17.0%増、前回比4.7%増)となった(表)。肥育用もと牛の価格が低水準に留まり、飼料用の小麦価格が軟調に推移したことなどを受けて、フィードロットの利益率が上向いたことが飼養頭数増加につながった(図1)。
また、当期のフィードロット収容可能頭数は、前回並みの159万3911頭(同2.5%増、同▲0.04%減)となったが、飼養頭数の増加によりフィードロットの稼働率は85.0%となり、2年連続で上昇した(図2)。
加えて、当期(24年1〜3月)の穀物肥育牛と畜頭数は、飼養頭数の増加に伴い、76万1550頭(同14.9%増、同14.3%増)とかなり大きく増加し、干ばつなどの影響により大きく増加した19〜20年に迫る水準となっている(図3)。この背景としてMLAは、堅調な輸出需要を挙げており、当期の穀物肥育牛肉の輸出量は8万3949トンと過去最大級の水準になっている。そのうち、日本向けは39%を占め、そのシェア(輸出割合)を拡大させている(図4)。
今回の結果を受けてALFAは、「当期の経営環境が良好だったことが飼養頭数増加の最大の要因である」とコメントした。また、МLAは、「肥育用もと牛の供給が良好であったことに加え、飼料用小麦の価格が軟調だったことで、フィードロット経営の利益率が向上した」とし、この傾向は当分続くとみている。
【渡部卓人 令和6年6月3日発】
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