乳業各社の提示額を見ると、豪州最大手のサプート・デイリー・オーストラリア社(表中の「豪州サプート社」)は、新年度当初乳価を生乳の固形分1キログラム当たり8.00〜8.15豪ドル(850〜865円:1豪ドル=106.1円
(注3)、前年度比8.4〜11.6%安)としている。また、ニュージーランドの乳業最大手フォンテラ社
(注4)の豪州法人である豪州フォンテラ社は、同8.00豪ドル(850円、同7.5%安)としている。前年度を下回る要因として、両社ともにチーズなどの輸入乳製品の台頭による国内在庫の増加や、国際乳製品相場の軟化を挙げており、豪州乳製品の競争力を確保するためにはやむを得ない選択であるとして、生産者に理解を求めている。
このほか、豪州資本でチーズ生産を主体とするベガ社は同7.90〜8.20豪ドル(838〜870円、同6.8〜10.2%安)、フランス資本で世界最大の乳業ラクタリス社の豪州法人の豪州ラクタリス社は同8.40豪ドル(891円、同3.1%安)、中国大手の蒙牛乳業傘下のバラ社は同8.00〜8.50豪ドル(850円〜902円、同0.0〜11.1%安)などとなっている。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年5月末TTS相場。
(注4)ニュージーランドのフォンテラ社の当初乳価については、【海外情報「フォンテラ社、23/24年度乳価の据え置きと24/25年度当初乳価を発表」】をご参照ください。
通常、豪州の乳価は、乳質や出荷量などに応じて、出荷月ごとの生乳の固形分1キログラム当たりの単価が設定されているが、ここでは全体像を示すため、乳業各社の発表や現地報道をもとに、24/25年度当初の平均的な同単価水準を示している。また、豪州の乳価情報などを一元的に提供するミルクバリューポータル
(注5)では、乳価水準の決定方法に関する情報が掲載されている(図)。
(注5)乳製品の加工業者、販売業者などを代表する業界団体である豪州乳製品連合会(ADPF)が運営するポータルサイト。乳価の透明性を高めることを目的に、地域や成分などに応じた平均的な乳価を試算できるツールなどが掲載されている。