生産量は、環境対策の必要性、国内外における生産資源の獲得競争の激化など、牛肉産業を取り巻く状況がより厳しくなることから、生産の伸び率は横ばいか鈍化し、2033年には798万トン(基準期間比<21〜23年の平均値からの増減率>12.6%増)と予測されている。また、華西牛
(注3)などの中国が独自に育種を手掛けた品種や、各地域の固有品種の普及が拡大し、全体として優良品種の割合が増加するとしている。
輸入量は、たんぱく源としての重要性から牛肉の自給率が高まるため、輸入の伸び率は徐々に鈍化し、33年は312万トン(同31.9%増)と予測されている。
消費量は、農村地域の都市化、あるいは農村住民の都市への移住
(注4)が進展する中で牛肉の消費需要が増加する一方、33年の中国の人口は23年比で1.3%減少し、高齢者の人口は4億人を超えると見込まれることから、消費の伸び率は鈍化し、33年には1110万トン(同17.4%増)と予測されている。また市場価格は、生産者の大規模化、高度化が進み、牛肉業界が徐々に成熟段階に入る一方で、牛の繁殖サイクルは長いため、生産コストは引き続き高止まりすることから、高水準で推移すると予測されている。
(注3)中国農業科学院の主導で2022年に造成された肉牛の新品種。現地報道によると、出荷時体重は600〜650キログラム(18カ月齢)、1日当たりの平均増体量は1.36キログラム。産肉量が多い上に、成長速度が速く、また、寒冷な中国北方でも高温多湿な同国南方でも飼育可能な、適応力の高い牛とされている。
(注4)『畜産の情報』2024年7月号「中国の畜産物を中心とした食料消費の現状と今後の展望」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003309.html)をご参照ください。