今年に入ってから肉類、卵類および乳製品はいずれも増産となり、供給量は十分であるものの、価格は全体的に低迷した。
上半期は、養豚については、市場への出荷調整と農業農村部による生産能力の調整が相互に作用し、利益率が上がったことから正常な経営状態まで回復した。最近は豚1頭当たり400元(8548円:1元=21.37円
(注2))の利益が出ているとみている。他方で、牛肉と生乳の価格はそれぞれ前年比で12.1%、12.5%下落し、いずれの農家も赤字に陥っている。
下半期は、養豚については収益も生産量も良好な推移が見込まれる。6月末の飼養頭数について、母豚の4038万頭は、基準とする3900万頭の103.5%に相当するが、適正な範囲とされる「緑色ゾーン」の水準に収まっている
(注3)。また、出荷時期に近い中・大成体豚の飼養頭数も前年比で6.4%減少した。他方で肉牛と酪農は、出荷や生産までの周期が豚よりも長いため、短期的には価格は低迷を続けるとみられる。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年7月末日TTS相場。
(注3)母豚飼養頭数を通じて行われる豚の「生産能力管理調整方策」については、海外情報「中国農業農村部、豚の飼養頭数調整のための方策を改訂(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003728.html)をご参照ください。