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小麦や大麦などの地域別生産に関する情報を発表(豪州)

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 豪州統計局(ABS)は2024年6月、新たに衛星などを活用して分析・作成した22/23年度(7月から翌6月)の飼料穀物を含む小麦や大麦など冬作物(注)の地域別品目別の生産に関する情報を発表した。
 これによると、同年度の冬作物生産量は全体で6862万トン、うち小麦は4120万トン(冬作物全体の60.0%)、大麦は1349万トン(同19.7%)となった(図1)。
 
(注)主に3〜6月に作付けし、10月〜翌1月に収穫を行う作物。冬作物に対して、トウモロコシやソルガムなど、10月〜翌1月に作付けし、3〜6月に収穫を行う夏作物がある。詳細は、畜産の情報2023年7月号「豪州における近年の飼料穀物需給動向と見通し」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_002811.html)をご参照ください。
図1
 これら冬作物の栽培面積は、全体で2350万ヘクタールであり、うち最も生産量の多い小麦は1290万ヘクタールで、6割以上が西オーストラリア(WA)州とニューサウスウェールズ(NSW)州で生産されている。中でも、最も生産量が多い地域は、WA州のモラワで212万トン、ムーラで161万トン、ノーザンプトン/マレワ/グリーナフで145万トンが生産されているなど、WA州の西端に生産地域が集中している(図2)。またNSW州では、モーリーなど、クイーンズランド州との州境近辺が主な生産地帯となっている。
図2
 また、大麦の栽培面積は全体で380万ヘクタールであり、うち、WA州で570万トン、南オーストラリア州で278万トン、ビクトリア州で229万トン、NSW州で212万トンが生産されている。中でも、最も生産量が多い地域は、WA州のクリンで140万トン、エスペランスで66万トン、グノーワンガーアップで49万トンが生産されているなど、WA州南西部に生産地域が集中している(図3)。
図3
 豪州農業資源経済科学局(ABARES)の見通しでは、23/24年度は小麦と大麦の生産量が減少と見込まれているが、これら主要生産地域の気象状況が、全体の生産量を大きく左右している状況にある。
【調査情報部 令和6年8月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532