2023/24年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第11回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は8月13日、2023/24年度第11回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
23/24年度第2期作トウモロコシ収穫作業は、前年度より速いペースで進捗
2023/24年度のトウモロコシ生産量は、前回より21万300トン下方修正の1億1564万8600トン(前年度比12.3%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、生産者が収益性悪化などにより第2期作を中心に作付面積を減少(同5.9%減)したことに加え、不安定な天候などで単収が低下(同6.9%減)したためである。
このうち、全生産量の5分の1を占める第1期作の生産量は、2296万2200トン(同16.1%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。これは、作付面積の減少に加え、北部地域および南部リオグランデドスル州を除く地域において天候不順により単収が低下したためである。収穫作業は、7月末時点で作付面積の99%で終了し、8月初めに終了と見込まれている。
全体の4分の3強を占める第2期作の生産量は、9028万4700トン(同11.8%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。1月から2月中旬に播種(はしゅ)された作物の単収は良好であるのに対し、3〜4月に播種されたものは、4月後半からの降水量減少の影響により低下している。特に南部パラナ州、南東部サンパウロ州、中西部マットグロッソドスル州では、降水量の不足に加え、高温や害虫の発生により作況が悪化している。収穫作業は、7月末時点で作付面積の86%で終了し、前年同期(57%)に比べて速いペースで進んでいる。これは、4月後半からの降水量の減少により、多くの地域で収穫を早めたことによるものである。
また、全体の2%程度を占める第3期作の生産量は、240万2000トン(同11.5%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。作物の生育は、ほとんどの生産地域で平均的な降雨に恵まれ良好であり、収穫作業は8月中旬から予定されている。
23/24年度のトウモロコシ需給状況を見ると、輸出量は、前回より250万トン上方修正されたものの、3600万トン(前年度比34.1%減)と前年度より大幅な減少が見込まれている。これは、国内需給がひっ迫する中で、米国やアルゼンチンでの豊作を背景に両国からの国際市場への供給量増が見込まれるためである。また、期末在庫は、前回より269万トン7000トン下方修正の497万3900トン(前年度比29.6%減)と前年度より大幅な減少が見込まれている。
23/24年度大豆輸出量は、生産減で前年度比9.3%減の見込み
2023/24年度の大豆生産量は、前回から大きな修正はなく1億4738万1800トン(前年度比4.7%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。作付面積は前年度より増加(同4.4%増)したものの、ほとんどの地域で悪天候に見舞われたことで、単収の減少(同8.7%減)が大きかったためである。収穫作業は、すべての地域で終了した。
23/24年度の大豆の需給状況は前回から大きな修正はない。輸出量は、生産量の減少を反映して、9243万4400トン(前年度比9.3%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
【井田 俊二 令和6年8月22日発】
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