デンマークでは、尾かじりを防止できないことが書面で記録されている場合に限り断尾を実施することができ、4日齢(EU指令では7日齢)よりも後に断尾が行われる場合には、麻酔下での処置が義務付けられている。
18年に断尾の実施状況を調査した欧州獣医師連盟(FVE)と欧州豚健康管理協会(EAPMH)は、段階的に断尾を廃止していくことを提案しており、22年には、欧州食品安全機関(EFSA)が適切な飼養管理がされている場合には、断尾は必要ないとする意見書を発表し、断尾を行うべきではないとする見解を示していた。
24年1月にデンマーク獣医食品局が発表した調査結果によると、生産者の3割に問題があると指摘され、その半分以上が断尾を実施するに必要な書類の不備であった。同局は、24年も同様の調査を実施するとしており、生産者に対して書類の管理を徹底すること求めている。
なお、EUの他の主要豚肉生産国のうち多くの国で引き続き断尾が行われているが、オランダは30年から断尾を行わないことを発表している他、ドイツでは断尾を行うことを認める要件の引き上げを検討している
(注3)。
(注3)畜産の情報2024年8月号「輸出需要減退や規制強化により減産が続くドイツ養豚産業」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003343.html)をご参照ください。