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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年9月)

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生産量、期末在庫はともに微減するも引き続き高水準の見通し

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年9月12日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
表1
 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1857万トン(前年度比0.5%減)と前月から125万トン下方修正された。このうち、最大のトウモロコシ生産国である米国は前月に続き単収が引き上げられ、前月から99万トン上方修正の3億8573万トン(同1.0%減)とされた。これに続く中国、ブラジルはいずれも据え置かれた。一方、EUは、降雨に恵まれたフランスで増産が見込まれるものの、ルーマニアやハンガリーなど南東部での高温干ばつによる減産見込みにより、前月から150万トン下方修正された。
 輸入量は、世界全体で1億8540万トン(同3.7%減)と前月から45万トン下方修正された。EUやメキシコ、アジア諸国などが上方修正されたものの、世界最大のトウモロコシ輸入国である中国などの下方修正が影響した。
 消費量は、世界全体で12億1985万トン(同0.2%増)と前月から168万トン上方修正された。EUは下方修正、中国や米国は前月から据え置かれたものの、ブラジルやメキシコなどの上方修正が影響した。
 輸出量は、世界全体で1億9137万トン(前年度比4.2%減)と前月から10万トン下方修正された。カナダやタンザニアが上方修正されたものの、EUやロシアなどの下方修正が影響した。
 この結果、期末在庫は3億835万トン(同0.4%減)と前月から182万トン下方修正されたものの、引き続き高水準が見込まれている。

単収の上方修正で生産量も増加、輸出量も高水準を維持

 USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表2)。
表2
 生産量は、作付面積および収穫面積が前月から据え置かれたものの、単収の上方修正から151億8600万ブッシェル(3億8574万トン(注1)、前年度比1.0%減)と前月から上方修正され、前年度をわずかに下回ると見込まれている。
 米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.3%増)と前月から据え置かれ、前年度並みと見込まれている。
 輸出量は、引き続き国際相場が低い水準にあり、米国の供給量が豊富であることから、23億ブッシェル(5842万トン、同0.4%増)と前月から据え置かれ、21/22年度以来の高水準とされている。
 なお、今回、前年度の輸出量およびエタノール仕向け量が上方修正されたことを受けて、24/25年の期首在庫が下方修正されたが、18億1200万ブッシェル(4603万トン、同33.2%増)と前年度を大幅に上回る水準とされた。
 この結果、期末在庫は20億5700万ブッシェル(5225万トン、同13.5%増)と前月から下方修正されたものの、高水準となった前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、13.7%(同1.6ポイント増)と前月から0.2ポイント下方修正されたが、前年度からの増加が見込まれている。
 一方、生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.10米ドル(598円。1キログラム当たり23.5円:1米ドル=145.80円(注2)、同11.8%安)と前月から同0.10米ドル(15円)下方修正され、前年からかなり大きく下落することが見込まれている。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年8月末TTS相場。
【峯岸 啓之 令和6年9月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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