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2024年トマトの生産量、加工向けの堅調な需要から増加の見込み(EU)

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最終更新日:2024年10月15日

 欧州委員会は2024年10月、農畜産物の短期的需給見通し注1を公表した。このうち、日本のトマト加工品の主要輸入先であるEUのトマト需給について概要を紹介する。 なお、本稿で記載する数量はすべて生鮮換算数量である。
 
注1:欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年2回(春、秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

トマトの生産動向

 2024年のトマトの生産量は、加工向けの生産が増加していることから、2年連続で前年の水準を上回り、前年比3.3%増の1737万3000トンと見込まれる。
図 トマト生産量の推移

加工用トマトの需給動向

 2024年の加工用トマト生産量は、加工向けの堅調な需要を反映して、前年比4.4%増の1097万3000トン、消費量は同3.2%増の983万トンとそれぞれ見込まれる(表1)。なお、加工向けはトマト生産量のうち約63%を占めている。
 2024年の加工用トマトの輸入量は、同8.1%増の297万7000トンと見込まれる。この要因は、生産量が増加している中国からの輸入増加によるものであり、今後もこの傾向は続くとみられる。輸出量は、2023年までの減少傾向から一転して、生産量の増加を反映して、前年比8.9%増の412万トンと見込まれる。
表1 加工用トマトの需給

生鮮トマトの需給動向

 2024年のEUの生鮮トマトの生産量(仕向量)は、前年比1.4%増となる640万トンと見込まれる(表2)。消費量も同1.0%増の683万4000トンと前年比ではわずかに増加するが、過去5年平均比では2.3%減となる。これは、消費者は小売価格が堅調に推移していることで購入量を減らしていることに加え、大玉のトマトからチェリートマトのような小玉のトマトに消費がシフトしているためである。
 2024年の生鮮トマト輸入量は、前年の水準を維持し80万3000トンと見込まれる。主要な輸入先国はモロッコ(シェア61%)とトルコ(シェア31%)であり、この2カ国で9割を占める。
一方、輸出量は主要な輸出先である英国向けの増加を反映して、前年比7.0%増の36万9000トンと見込まれる。
表2 生鮮トマトの需給
【調査情報部 令和6年10月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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