2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月15日、2024/25年度第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。これによると、24/25年度穀物合計の生産量は、作付面積および単収の増加から3億2246万9100トン(前年度比8.3%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
24/25年度トウモロコシ生産量は単収の回復により前年度比3.5%増の見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、1億1973万9100トン(前年度比3.5%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。これは、作付面積が2100万2100ヘクタール(同0.2%減)と前年度並みにとどまるものの、単収が1ヘクタール当たり5.7トン(同3.7%増)となり、不安定な天候などの影響を受けた23/24年度からの回復が見込まれるためである。
全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、2272万600トン(同1.1%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。これは、トウモロコシ市場価格の低下による収益性の悪化から、生産者が大豆など他の作物に転換し、作付面積が同5.4%減と前年度をやや下回るためである。州別に見ると、南部での最大の生産州である部リオグランデドスル州では、作付面積が同11.7%減とかなり大きく減少すると見込まれている。播種(はしゅ)作業は、全国に先駆け南部で8月から始まり、全国の作付面積の28.8%で終了(10月12日現在)し、前年同期(同30.4%と同程度の進捗状況となっている。
また、全体の8割を占める第2期作の生産量は、9463万1300トン(同4.8%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。
24/25年度の大豆作付面積は増加率鈍化も生産量は過去最大を更新する見込み
2024/25年度の大豆生産量は、1億6605万3900トン(前年度比12.7%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、作付面積が4733万1800ヘクタール(同2.8増)と前年度をわずかに上回ることに加え、単収が1ヘクタール当たり3.5トン(同9.6%増)ととなり、ほとんどの地域で悪天候に見舞われた23/24年度からの回復が見込まれるためである。ただし、作付面積の増加率は、24年の国際価格の低迷や25年の価格下落予想を反映し、過去6年間で最低の伸び率となっている。播種作業は中西部や南部の一部の州で9月から始まっており、作付面積の9.1%で終了(10月12日現在)したが、乾燥気候や不規則な降雨の影響で前年同期(19.0%)と比べ遅れている。
需給状況を見ると、24/25年度の輸出量は、生産量の増加と中国を中心とした堅調な輸出需要を背景として1億554万900トン(同14.2%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。また、加工量は、バイオディーゼルの混合比率が14%から15%に引き上げられる予定であることからバイオディーゼル原料として大豆油生産が増加し、5660万3200トン(同7.9%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
【井田 俊二 令和6年10月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472