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欧州委員会、2024/25年度の砂糖生産は増産と予測(EU)

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最終更新日:2024年10月24日

 欧州委員会は2024年10月、EU農畜産物の短期的需給見通し(注1)を公表した。このうち、砂糖(てん菜)および異性化糖の概要について紹介する。

(注1)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年2回(春、秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

〈砂糖〉

2023/24年度は増産により輸出量も増加

 2023/24年度(10月〜翌9月)のてん菜の作付面積は前年度比2.8%増の147万ヘクタールとなり、砂糖生産量は同6.8%増の1560万トンと見込まれる(図1)。消費量は砂糖を使用した加工品の輸出需要の減少により、同0.8%減の1583万トンと見込まれる(表)。

 増産による供給増を背景に、同年度の輸出量は同149.4%増(約2.5倍)の155万トン、輸入量は同42.6%減の144万トンとそれぞれ見込まれる。

2024/25年度は作付面積の増加により増産見込み

 2024年はてん菜の作付期に多雨の影響があったが、24/25年度の作付面積が162万ヘクタール(前年度比10.2%増)に増加したこと、萎黄病の被害が当初予想よりも少なかったことにより、砂糖生産量は同6.4%増の1659万トンとかなりの程度の増加が予測される。作付面積増加の要因は、EU域内の砂糖価格の上昇による油糧種子からてん菜への作付けの転換が挙げられる。EU域内の砂糖価格は、23年8月に1トン当たり787ユーロ(1キログラム当たり127円、1ユーロ=160.93円(注2))となるなど記録的な高値となっていた。

(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年9月末TTS相場。

 また、同年度の輸出量は国内供給量の増加から同18.0%増の182万トン、輸入量は国内供給量の増加とウクライナからの輸入量の減少から同13.4%減の125万トンとそれぞれ予測される。ウクライナからの輸入は、同国支援のために輸入関税および関税割当の停止措置が取られていたが、24年からは砂糖のセーフガード措置が導入され、7月に発動している(注3)
 
 同年度の砂糖消費量は前年度並みの1583万トン、その結果、24/25年度期末の在庫量は、同10.7%増の192万トンと予測される。

(注3)詳細については海外情報「ウクライナ産砂糖および卵へのセーフガード措置発動(EU)」をご参照ください。
図1
表

〈異性化糖〉

前年度に続き24/25年度も増産の見込み

 2023/24年(10月〜翌9月)の異性化糖生産量は、前年度比13.3%増の49万1000トンとかなり大きく増加が見込まれる(図2)。また、24/25年度の生産量は同3.0%増の50万6000トンと引き続き増加が予測される。これは、ハンガリーなど主要生産国の原材料費など生産コスト低下によるものであるが、依然として過去5年間(18/19〜22/23年度)の平均の55万トンをかなりの程度下回る水準にある。
図2
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527