全国の繁殖用母豚飼養頭数は、2024年第3四半期(7〜9月)末で4062万頭であり、これは3900万頭という適正な飼養頭数
(注2)の104.2%に相当する。つまり、合理的な範囲に収まっているということである。
子豚の頭数を見れば、生産頭数は24年3月から増加し、一般的に飼養に要する6カ月の期間を加味すると、ちょうど秋冬の消費が伸びる時期に供給されることになるため、市場の需給バランスに合った状態にあると言える。
他方で、今年から母豚の生産効率が向上し、子豚の産出頭数がこの数カ月間比較的早く増加していることを考えると、これらの子豚が市場に出回るのは来年の春節(旧正月。中国では年間を通じて消費が最も伸びる時期。25年は1月29日)明けの、例年消費が落ち着く時期に重なってしまうと予想される。そうなった場合、豚肉価格は大幅に下落する可能性がある。養豚に携わる者はこのことに注意を払い、合理的な生産管理を行う必要がある。
(注2)農村農業部が適正とする繁殖用母豚の飼養頭数については海外情報「中国農業農村部、豚の飼養頭数調整のための方策を改訂(中国)」(令和6年3月12日発)をご参照ください。