米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年11月)
消費量の微増などから期末在庫はやや減少も、引き続き高水準の見通し
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年11月8日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1940万トン(前年度比0.8%減)と前月から221万トン上方修正された。このうち、最大の生産国である米国に加え、EUも前月から下方修正されたが、ウガンダやマラウイ、ベラルーシなどでの上方修正が上回った。
輸入量は、世界全体で1億8341万トン(同6.5%減)と前月から43万トン下方修正された。このうち、メキシコやベトナムは前月から上方修正されたが、中国は1600万トンと前月から300万トン下方修正されたことが影響した。
消費量は、世界全体で12億2948万トン(同0.8%増)と前月から616万トン上方修正された。このうち、ブラジルや南アフリカなどが前月から上方修正されたことで、EUなどの下方修正分を上回った。
輸出量は、世界全体で1億8983万トン(同3.0%減)と前月から67万トン下方修正された。最大の輸出国である米国は据え置かれたが、ブラジルや南アフリカの下方修正などが影響した。
この結果、期末在庫は3億414万トン(同3.2%減)と前月から238万トン下方修正されたものの、引き続き高水準が見込まれている。
単収の下方修正で生産量はわずかに減少も、輸出量は据え置かれて引き続き高水準を維持
USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表2)。
作付面積および収穫面積は前月から据え置かれたものの、生産量は単収の下方修正により151億4300万ブッシェル(3億8465万トン(注1)、前年度比1.3%減)と前月から下方修正され、前年度をわずかに下回ると見込まれている。
米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.1%減)と前月から据え置かれ、前年度並みと見込まれている。
輸出量は、23億2500万ブッシェル(5906万トン、同1.4%増)と消費量同様に前月から据え置かれ、前年度をわずかに上回る高水準とされている。
この結果、期末在庫は19億3800万ブッシェル(4923万トン、同10.1%増)と、生産量が下方修正された影響で前月から下方修正されたものの、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、12.9%(同1.1ポイント増)と前月から0.4ポイント下方修正されたが、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.10米ドル(634円。1キログラム当たり25円:1米ドル=154.64円(注2)、同9.9%安)と前月から据え置かれ、前年からかなりの程度下落することが見込まれている。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年10月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和6年11月13日発】
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