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米国農務省による世界の大豆需給予測(2024年11月)

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生産量は減少も、期末在庫は引き続き大幅増の見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年11月8日、2024/25年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
表 主要国の大豆需給見通し(2024年11月8日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2540万トン(前年度比7.8%増)と前月から352万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは1億6900万トン(同10.5%増)と前月から据え置かれたが、これに次ぐ米国は1億2142万トン(同7.2%増)と前月から328万トン下方修正された。これは、単収の引き下げ(前月から1.4ブッシェル下方修正の1エーカー当たり51.7ブッシェル)によるものであり、特にアイオワ州、イリノイ州、ミネソタ州での減産が影響したとされる。また、アルゼンチンは5100万トン(同5.8%増)、中国は2070万トン(同0.7%減)といずれも据え置かれた。
 輸入量は、世界全体で1億7791万トン(前年度並み)と前月から30万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は1億900万トン(前年度比2.7%減)と前月から据え置かれた。
 消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億4615万トン(同4.5%増)と前月から23万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は1億300万トン(同4.0%増)と前月から据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億8171万トン(同2.6%増)と前月から18万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは1億550万トン(同1.3%増)と前月から50万トン上方修正されたが、これに次ぐ米国は4967万トン(同7.7%増)と前月から68万トン下方修正された。
 この結果、期末在庫は1億3174万トン(同17.2%増)と前月から291万トン下方修正された。これは、米国の生産量の下方修正などが反映されている。
 今回の予測では、米国の生産量は減少したものの、期末在庫は市場関係者による予想値の範囲内にとどまったとされたこともあり、USDAは米国の生産者販売価格を1ブッシェル当たり10.80米ドル(1670円、1キログラム当たり66円(注1):1米ドル=154.64円(注2)、前年度比12.9%安)に据え置いている。
 また、今回の予測値に関して中国の輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した同年度の中国の大豆輸入量9460万トンとは引き続き乖離があり、期末在庫が高い水準にある中で、今後の動向が注目される。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタール、として農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年10月末TTS相場。
【横田 徹 令和6年11月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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