2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第2回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は11月14日、2024/25年度第2回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
24/25年度トウモロコシ生産量は過去2番目の大きさとなる見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回よりわずかに上方修正され1億1981万3800トン(前年度比3.6%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。これは、作付面積が2101万1200ヘクタール(同0.2%減)と前年度並みにとどまるものの、単収が1ヘクタール当たり5.7トン(同3.8%増)と、不安定な天候などの影響を受けた23/24年度からの回復が見込まれるためである。なお、24/25年度のトウモロコシ生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ大きさとなる。
全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、2279万5200トン(同0.7%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。これは、単収が同4.7%増と前年度から回復するものの、作付面積が同5.2%減と前年度をやや下回るためである。作付面積の減少は、生産者にとって市場価格が魅力的でなく、また、米ドルに対するレアル安の進行などにより肥料を中心に生産コスト高となり収益性が低いことや、前年度に害虫(ヨコバイ)の被害を受けたことなどから、生産者が大豆など他の作物を選択したためとみられる。また、24年8月に南部で始まった播種(はしゅ)作業は、全国の作付面積の48.7%(11月9日現在)となり、前年同期(同46.8%)よりわずかに早いペースで進んでいる。
一方、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、作付面積(同1.0%増)および単収(同3.8%増)とも増加し、9463万1300トン(同4.8%増)と前年度をやや上回ると見込まれており、トウモロコシ全体の生産量の増加見込みにつながっている。
24/25年度大豆播種作業は、好天に恵まれ10月後半から急速に進む
2024/25年度の大豆生産量は、前回よりわずかに上方修正され1億6614万3400トン(前年度比12.5%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、作付面積が4735万6500ヘクタール(同2.6%増)と前年度をわずかに上回ることに加え、単収が1ヘクタール当たり3.5トン(同9.6%増)と、ほとんどの地域で悪天候に見舞われた23/24年度からの回復が見込まれるためである。ただし、作付面積の増加率は、24年の国際価格の低迷や25年の価格下落予想を反映し、過去6年間で最低の伸び率となっている。また、24年9月に中西部や南部の一部の州で始まった播種作業は、全国の作付面積の66.1%(11月9日現在)となり、前年同期(同57.3%)を8.8ポイント上回るペースで進んでいる。24/25年度の大豆の播種作業は、乾燥気候や不規則な降雨の影響で遅いペースで始まったが、10月後半に入り南部および南東部の天候が好転したことで急速に作業が進んでいる。
州別に見ると、最大の生産州である中西部マットグロッソ州、それに続く南部パラナ州、リオグランデドスル州では適度な降雨に恵まれ、播種作業の進捗状況や作物の生育状況は良好な状況にある。
【井田 俊二 令和6年11月25日発】
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