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牛肉の規格策定(標準化)が進行(中国)

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 中国では牛肉の消費量の伸張に伴い、食品としての安全性が疑われる事案が増えている。このような状況に対し、中国農業農村部など関係行政機関は今年「肉類産品の違法犯罪特化取締りプロジェクト」(注1)を実施しており、また、牛肉関係業界では品質向上などを目指した牛肉規格の策定などが進められている(注2)。品質向上に向けた代表的な動きとして、2024年10月13日に発足した「中国アンガス牛肉産業連盟」について紹介する。

 (注1)同プロジェクトの背景や内容については「中国国務院などが今年初の食品安全に関する取締りプロジェクトを公表(中国)」(令和6年4月23日発)をご参照ください。
 (注2)関係業界における基準策定の動きについては「中国畜産団体が牛肉の品質などに関する団体基準の策定に着手(中国)」(令和6年5月28日発)をご参照ください。

中国アンガス牛肉産業連盟について

(1)連盟の概要
 中国では、農業農村部の主導により、特定の産品・産業に関する技術の向上を目的として専門家がプロジェクトを組み、全国各地に設置された試験拠点で研究開発を行う取り組みが行われている。
 今回、そのうち「肉牛・ヤク」を対象とするプロジェクト(注3)チームを中心に、中国農業科学院北京畜牧獣医研究所、新彊畜牧科学院畜牧研究所、吉林農業大学動物生産および商品品質安全教育部重点実験室、内モンゴル肉乳産業協会などが、本連盟を発足させた。発足式には、各構成者の代表のほか、農業農村部畜牧獣医局畜牧室室長、中国畜牧業協会副秘書長、中国肉類協会副会長、華西牛育種連合会理事長など150名あまりが参加した。

 (注3)当時の農業部と財政部が2008年12月に始動した「国家肉牛産業技術体系」を母体とするプロジェクト。現在の名称は「国家肉牛・ヤク産業技術体系」。中国農業大学を中心する専門家の集まりで、発足当時、国家肉牛産業技術研究センター、6つの部門(遺伝資源・育種・繁殖、営養・飼料、疾病コントロール、加工および品質管理、施設および環境管理、産業経済)別の研究室および23の省にまたがる26の総合試験拠点が構成された。

(2)発足の目的
 本連盟は、中国政府が2019年から進める「重要農産品の保障戦略を実施することに関する指導意見」およびこれを受けて20年に発出された「国務院弁公庁発、畜牧業の高品質発展に向けた意見」を実現し、中国国内で流通するアンガス牛肉の品質向上、関連産業の標準化、デジタル化および環境保護の進展を図ることを目的に設置された。
 「肉牛・ヤク」プロジェクト(国家肉牛・ヤク産業技術体系)チーム首席科学者であり、連盟の初代理事長に選ばれた曹兵海教授は、連盟の役割について、中国肉牛産業の標準化および産業としての進化を図る革新的な役割を果たすことであると宣言した。また、連盟は今後、中国独自のアンガス牛品種系統認証制度の新設、アンガス牛の国産化に向けた育種選抜の実現、中国産アンガス牛のブランド化、ひいては中国産の肉牛の世界市場における競争力の向上を目指すと発言した。

(参考)中国の食肉に関する基準

 中国では、食品安全法および食品安全国家基準管理弁法に基づき、既に次のような食品安全に関する国家基準が策定されている。

・(Guojia Biaozhun:国家基準)2707-2016 食品安全国家基準:生鮮(冷凍) 家畜・家きん産品
・ GB 2726-2016 食品安全国家基準:熟成肉製品

 また、連盟の発足式に参加した中国肉類協会も、業界基準として高級肉牛に関する基準化策定を進めている。
【調査情報部 令和6年11月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530