質問に対して中国農業農村部副部長の張興旺氏は、「この質問は今年農業農村部にとって一番重要な問題であり、かつ、最も困難な課題である」と述べた後、以下のとおり回答した。
1 価格の下落により多くの牛飼養農家が赤字に陥っているというのは、中国の肉牛産業が今後健全に発展できるのか、ということに関わる問題である。昨年から続く牛肉価格の下落に対して多方面で多くの取り組みを行ってきた結果、最近では過剰生産のさらなる拡大は抑えられつつあり、価格も上昇傾向がみ見られ、赤字状況の改善が図られつつある。
農村において、肉牛および酪農の問題が突出していることに対し、生産コストを下げるための取り組み、金融支援の強化など、農業農村部はあらゆる手段を講じて牛飼養農家を支援してきた。2024年9月に「肉牛乳牛生産の安定化に関する通知」
(注3)を発出した後、主要生産地である内モンゴルや新彊ウイグル自治区などの省でも積極的な取り組みが行われ、牛の飼養に対する補助金や生乳の加工(粉末化)に対する補助金などが出されたことにより、牛飼養農家の問題は緩和されつつある。
(注3)2024年9月に発出された「肉牛乳牛生産の安定化に関する通知」については海外情報「中国農業農村部、肉牛乳牛生産の安定化に関する通知を公表(中国)」(令和6年11月8日発)をご参照ください。
2 今後も「5つの強化」を中心に各種措置の確実な実施を進める。「5つの強化」とは、1)生産動向の監視、2)母牛の生産効率・繁殖効率の向上と母牛群の構成の適正化、3)飼料の供給保障、4)金融面での支援、5)技術指導、これらの強化である。