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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年12月)

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消費量の微増などから期末在庫はかなりの程度減少

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年12月10日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2024年12月10日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1789万トン(前年度比1.0%減)と前月から151万トン下方修正された。このうち、ウクライナは前月から上方修正されたが、EUやインドネシア、メキシコなどの下方修正がこれを上回った。中でもメキシコは、冬トウモロコシの作付面積減少が見込まれており、加えて北西部では、高温干ばつにより10月の貯水池水位が同月としては過去22年間で最も低くなっているため、収穫への影響も危惧されている。
 輸入量は、世界全体で1億8392万トン(同6.7%減)と前月から51万トン上方修正された。このうち、ブラジルとの貿易量が減少した中国は前月から下方修正されたが、EUやバングラデシュ、メキシコなどの上方修正が補った。
 消費量は、世界全体で12億3766万トン(同1.6%増)と前月から818万トン上方修正された。このうち、米国やブラジル、EUなどで前月から上方修正されたことが寄与した。
 輸出量は、世界全体で1億9304万トン(前年度並み)と前月から321万トン上方修正された。最大の輸出国である米国は6287万トンと前月から381万トン上方修正されたことが寄与した。
 この結果、期末在庫は米国や中国、EUでの下方修正を反映し2億9644万トン(前年度比6.3%減)と前月から770万トン下方修正された。

米国は総消費量の増加により期末在庫はわずかに減少

 USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表2)。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2024年12月10日米国農務省公表)
 生産量は前月から据え置かれ、151億4300万ブッシェル(3億8465万トン(注1))と見込まれている。
 米国内消費量は、127億1500万ブッシェル(3億2297万トン、前年度比0.3%増)と前月から上方修正され、前年度並みと見込まれている。このうち、エタノール向けトウモロコシについては、24年9月から11月までの使用量が17年以来最高値とされている。
 輸出量は、24億7500万ブッシェル(6287万トン、同8.0%増)と前年度をかなりの程度上回る高水準とされている。
 この結果、期末在庫は17億3800万ブッシェル(4415万トン、同1.3%減)と、総消費量が上方修正された影響で前月から下方修正され、前年度をわずかに下回ると見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、11.4%(同0.4ポイント減)と前月から1.5ポイント下方修正され、前年度を下回ると見込まれている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.10米ドル(622円、1キログラム当たり24.5円:1米ドル=151.74円(注2)、同9.9%安)と前月から据え置かれ、前年からかなりの程度下落することが見込まれている。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年11月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和6年12月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396