米国農務省による世界の大豆需給予測(2024年12月)
生産量、消費量ともに上方修正、期末在庫は引き続き大幅増の見込み
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年12月10日、2024/25年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2714万トン(前年度比8.2%増)と前月から174万トン上方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは1億6900万トン(同10.5%増)、これに次ぐ米国は1億2142万トン(同7.2%増)といずれも前月から据え置かれた。また、アルゼンチンは5200万トン(同7.9%増)と前月から100万トン上方修正され、中国は2070万トン(同0.7%減)と前月から据え置かれた。
輸入量は、世界全体で1億7818万トン(同0.3%増)と前月から27万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は1億900万トン(前年度比2.7%減)と前月から据え置かれた。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億4742万トン(同5.0%増)と前月から127万トン上方修正された。このうち、最大の消費国である中国は1億300万トン(同4.0%増)と前月から据え置かれた。
輸出量は、世界全体で1億8197万トン(同2.5%増)と前月から26万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは1億550万トン(同1.3%増)、これに次ぐ米国は4967万トン(同7.7%増)といずれも前月から据え置かれた。
この結果、期末在庫は1億3187万トン(同17.6%増)と前月から13万トン上方修正された。
今回の予測では、米国の生産量は据え置かれ、期末在庫は市場関係者による事前予想の範囲内にとどまったとされるが、24/25年度の大豆油かす期末在庫の増加見込みなどを踏まえてUSDAは、米国の生産者販売価格を前年度比17.7%安の1ブッシェル当たり10.20米ドル(1548円、1キログラム当たり61円(注1):1米ドル=151.74円(注2))に引き下げている。
また、今回の予測値に関して中国の輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した同年度の中国の大豆輸入量9460万トンとは引き続き乖離があり、期末在庫が高い水準にある中で、今後の動向が注目される。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年11月末TTS相場。
【横田 徹 令和6年12月17日発】
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