2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第3回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は12月12日、2024/25年度第3回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
24/25年度トウモロコシ輸出量は2年連続で減少の見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回より18万500トン下方修正の1億1963万3300トン(前年度比3.4%増)とされ、前年度をやや上回ると見込まれている。これは、作付面積が前年度並み(同0.3%減)にとどまるものの、単収が前年度の不安定な天候などの影響による減少から回復(同3.7%増)が見込まれるためである。この結果、24/25年度のトウモロコシ生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ大きさとなる。
全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、2261万4800トン(同1.5%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。これは、トウモロコシ市場価格の下落などにより生産者の収益性が低下し、生産者が他の作物(大豆、サトウキビ、酪農家向けコーンサイレージなど)を選択したためである。第1期作の播種(はしゅ)作業は、作付面積全体の72.2%(12月7日現在)で終了し、前年同期(同65.9%)を上回るペースで進んでいる。生産地での天候は定期的な降雨に恵まれおおむね良好で、作物の生育に好都合な状況にある。
また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、9463万1300トン(同4.8%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。作付面積および単収とも前年度を上回っており、全体のトウモロコシ生産量の増加見込みにつながっている。通常、年明けから始まる第2期作の播種作業は、定期的な降雨がなくの播種の開始時期が遅れた大豆の影響を受けて、中西部および南部地域では通常より若干の開始時期の遅れが見込まれている。
24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量は回復するものの、農業および工業部門からの堅調な需要を背景に、国内需要は引き続き増加が見込まれている。このため、輸出量は前年度より200万トン少ない3400万トン(前年度比5.6%減)と2年続けての減少が見込まれている。
24/25年度大豆播種作業は当初の遅れを挽回し、12月初旬時点で9割終了
2024/25年度の大豆生産量は、前回よりわずかに上方修正の1億6621万1100トン(前年度比12.5%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度をわずかに上回る(同2.6%増)とともに、単収が前年度のほとんどの地域で見舞われた悪天候による減少から回復し、前年度をかなりの程度上回る(同9.6%増)と見込まれるためである。播種作業は、作付面積全体の94.1%(12月7日現在)で終了し、前年同期(同89.9%)を上回るペースで進んでいる。当初は不規則な降雨により播種作業は出遅れたが、11月に入りほとんどの生産地で規則的な降雨と適度な日照に恵まれたことで、播種作業の遅れを取り戻している。
【井田 俊二 令和6年12月23日発】
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