同省の大臣は本決定についてSNSへの投稿で、サトウキビ生産者5000万世帯と労働者50万人を支援し、砂糖部門を強化すると述べている。
また、これまで砂糖の輸出許可を政府に訴えてきたインド砂糖・バイオエネルギー製造業者協会(ISMA)は、同様にSNSへの投稿を通じて政府による本決定を歓迎する声明を発出しており、製糖工場の資金流動性を高め、サトウキビ生産者への迅速な支払い確保に貢献するとした。
今回の発表に対して海外の反応を見ると、日本に多くの砂糖を輸出する豪州では、豪州砂糖製造業者協議会(ASMC)がプレスリリースを発表し、インドの決定は世界的な市場の混乱を招き、豪州の砂糖産業を脅かすものと伝えている。インドはかつて政府による砂糖産業への輸出補助金が国際市場での公平な競争を歪めているとして、21年に世界貿易機関(WTO)から協定違反と裁定されている
(注1)。
また、発表後の1月21日のニューヨーク粗糖先物相場(3月限)は、17日の1ポンド当たり18.22セント(注2)から同17.79セントまで下落し、24年8月以来となる17セント台を記録した。
(注1)詳細については、2022年1月13日付け海外情報「WTO紛争解決委、インドの砂糖政策を協定違反と裁定」をご参照ください。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【調査情報部 峯岸 啓之 令和7年1月24日発】