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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2025年2月)

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生産減・消費増などから期末在庫はかなりの程度減少

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年2月11日、24/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2025年2月11日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1247万トン(前年度比1.4%減)と前月から188万トン下方修正された。このうち、ブラジルは全生産量の8割を占める第2期作の播種の遅れ、アルゼンチンは1月の継続した高温乾燥により、前月からそれぞれ100万トン下方修正された。
 輸入量は、世界全体で1億8116万トン(同8.2%減)と前月から199万トン下方修正された。このうち、最大手の輸入国である中国は1000万トン(同57.3%減)と前月から300万トン下方修正されたことが影響した。中国では、トウモロコシ需給の緩和から国内価格の下落を支える対策が講じられており、輸入需要は減少しているとみられている。
 消費量は、世界全体で12億3796万トン(同1.5%増)と前月から51万トン下方修正された。このうち、米国や中国はいずれも前月から据え置かれたが、アルゼンチンは前月から200万トン下方修正されたことが影響した。
 輸出量は、世界全体で1億8923万トン(同2.1%減)と前月から218万トン下方修正された。このうち、生産量の減少を受けてブラジルが前月から100万トン下方修正され、ウクライナも同じく100万トン下方修正されたことが影響した。
 この結果、期末在庫は、生産量の下方修正などから2億9031万トン(同8.1%減)と前月から303万トン下方修正された。

米国の生産量はやや減少、生産者価格は前年度に続き下落

 USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した。この中で、生産者平均販売価格が上方修正されたことを除き、すべての数値は前月から据え置かれた(表2)。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2025年2月11日米国農務省公表)
 生産量は、148億6700万ブッシェル(3億7764万トン(注1)、前年度比3.1%減)。
 米国内消費量は、126億6500万ブッシェル(3億2170万トン、同0.1%減)。
 輸出量は、24億5000万ブッシェル(6223万トン、同6.9%増)。
 この結果、期末在庫は15億4000万ブッシェル(3912万トン、同12.6%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、10.2%(同1.6ポイント減)と、前年度を下回ると見込まれている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.35米ドル(676円。1キログラム当たり26.6円:1米ドル=155.43円(注2)、同4.4%安)と前月から上方修正されたが、前年度からやや下落が見込まれている。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年1月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和7年2月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396