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米国農務省による世界の大豆需給予測(2025年2月)

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アルゼンチンの生産減、ブラジルの消費増から期末在庫は下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年2月11日、2024/25年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
表 主要国の大豆需給見通し(2025年2月11日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2076万トン(前年度比6.5%増)と前月から350万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジル、これに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれたが、アルゼンチンは、25年1月の継続した高温乾燥により4900万トン(同1.6%増)と前月から300万トン下方修正されたことが影響した。また、隣国のパラグアイも同様に下方修正された。
 輸入量は、世界全体で1億7924万トン(同0.6%増)と前月から据え置かれた。このうち、最大の輸入国である中国は1億900万トン(前年度比2.7%減)と同じく前月から据え置かれた。
 消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億4989万トン(同5.6%増)と前月から60万トン上方修正された。このうち、最大の消費国である中国は1億300万トン(同4.0%増)と前月から据え置かれたが、ブラジルは旺盛なバイオ燃料需要などから5600万トン(同2.4%増)と前月から100万トン上方修正された。
 輸出量は、世界全体で1億8198万トン(同2.5%増)と前月から1万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは1億550万トン(同1.3%増)、これに次ぐ米国は4967万トン(同7.7%増)といずれも前月から据え置かれた。
 この結果、期末在庫は(1)アルゼンチンの生産量が300万トン下方修正されたこと(2)ブラジルの消費量(搾油仕向け)が100万トン上方修正されたこと、などにより1億2434万トン(同10.5%増)と前月から403万トン下方修正された。
 また、今回の予測値に関して中国の輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した同年度の中国の大豆輸入量9460万トンとは引き続き乖離がある。中国国内では大豆需給の緩和も報じられており、世界の期末在庫が比較的高い水準にある中で、同国の輸入動向が注目される。
【横田 徹 令和7年2月14日発】
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