2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第5回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月13日、2024/25年度第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
24/25年度トウモロコシ生産量は上方修正、前年度比5.5%増の見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回より246万4700トン上方修正の1億2201万6800トン(前年度比5.5%増)と、前年度をやや上回ると見込まれている。作付面積が同0.7%増と前年度をわずかに上回るとともに、単収が同4.8%増と前年度をやや上回ると見込まれるためである。この生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ大きさとなる。
内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、前回より104万7800トン上方修正の2358万1500トン(同2.7%増)と前年度をわずかに上回ると見込まれている。作付面積は、穀物市場価格の下落などを背景に同6.6%減と前年度をかなりの程度下回ったが、単収が同9.9%増とかなりの程度増加することが寄与している。この結果、第1期作の生産量は、前回までの前年度割れ予想から増加に転じた。第1期作の播種作業は、作付面積全体の95%(25年2月初旬現在)で終了し、24年9月に播種された南部では収穫が進んでいる。
また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、前回より141万6900トン上方修正の9604万8200トン(同6.4%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第2期作の播種作業は、作付面積全体の5.3%(25年2月初旬現在)で終了し、前年同期(同19.3%)より遅れている。この遅れは、(1)一部地域で大豆の作付けが遅れたこと、(2)中西部マットグロッソドスル州での降水量の減少、(3)中西部マットグロッソ州での大雨、などが要因とされている。
24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたものの、国内需要が引き続き堅調であるため、輸出量は前回と変わらず3400万トン(前年度比11.7%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。
24/25年度大豆生産量は、生産地での天候のばらつきによりわずかに下方修正
2024/25年度の大豆生産量は、前回より31万4600トン下方修正の1億6601万3800トン(前年度比12.4%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度をわずかに上回る(同2.8%増)とともに、単収が同9.3%増と前年度をかなりの程度上回ると見込まれるためである。25年1月は生産地での天候のばらつきが大きく、中西部マットグロッソ州や南部パラナ州など広い生産地で天候に恵まれたものの、南部リオグランデドスル州、中西部マットグロッソドスル州で降水量の減少などとなったため、全体の生産量が下方修正された。種播種作業は、作付面積全体の99.4%(25年2月初旬現在)が終了した。また、収穫作業は作付面積全体の8%で終了しており、前年同期(同14%)より6ポイント遅れている。
24/25年度の大豆需給を見ると、今回、生産量は下方修正されたものの、輸出量は1億544万8000トン(同6.7%増)と依然として1億トンを超える数量が見込まれている。
【井田 俊二 令和7年2月25日発】
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