豪州北東部のクイーンズランド州北部では、2025年1月末から広い範囲で豪雨による洪水に見舞われ、同州第2位の輸出農産物である砂糖の原料となるサトウキビにも大きな被害が発生した
(注1)。同災害について同州は、サトウキビ生産者に対してカテゴリーC
(注2)に該当する災害復旧のための助成金を交付するとし、その額は最大2万5000豪ドル(238万円:1豪ドル=95.23円
(注3))となる。しかし、深刻な被害を受けたサトウキビ生産者に対して額が不十分であると業界団体からの声を受け、連邦政府および州政府は3月12日、災害の度合いをカテゴリーDに引き上げた。これにより、サトウキビ生産者には最大7万5000豪ドル(714万円)の助成金が交付されることとなった。
(注1)これまでの経過状況については、2025年2月14日付け海外情報「主産地での洪水によりサトウキビ生産に大きな被害(豪州)」および3月12日付け海外情報「豪州、砂糖の中期的見通しと洪水被害の状況(豪州)」をご参照ください。
(注2)自然災害やその他の大規模な緊急事態の影響を受けた個人、コミュニティ、企業、地方自治体が復旧するための財政支援を提供する制度(DRFA)において、A〜Dの4つのカテゴリー別に支援措置が発動される。カテゴリーAは災害の影響を受けた個人・世帯への基本支援、Bは公共資産の復旧や地方自治体・企業など向けの復旧支援、Cは甚大な被害を受けた地域社会、地域、部門に対する援助であり、AおよびBの追加的支援を意図している。カテゴリーDは、上記A、B、Cを超える例外的な状況での支援であり、特に壊滅的な災害や長期的な経済影響が見込まれる場合には通常の支援では不十分であるため、より特別な措置が講じられる。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2月末TTS相場を使用。