米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2025年4月)
消費量および輸出量の上方修正から期末在庫は下方修正されかなりの程度減少
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年4月10日、2024/25年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億1510万トン(前年度比1.2%減)と前月から93万トン上方修正された。生産量上位3カ国は据え置かれたものの、EUが作付面積の増加により前月から131万トン上方修正されたことなどが反映された。
輸入量は、世界全体で1億8209万トン(同8.0%減)と前月から179万トン上方修正された。このうち、EUが2000万トン(同0.9%増)と前月から50万トン上方修正されたことなどが反映された。
消費量は、世界全体で12億4178万トン(同1.8%増)と前月から259万トン上方修正された。このうち、米国は前月から64万トン下方修正されたものの、EUが同170万トン上方修正されたことなどが反映された。
輸出量は、世界全体で1億8868万トン(同2.4%減)と前月から232万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国である米国は6477万トン(同11.2%増)と前月から254万トン上方修正されたことが反映された。
この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の伸びが輸入量を上回ったことで、2億8765万トン(同8.5%減)と前月から129万トン下方修正された。
米国は輸出量の増加などから期末在庫は大幅に減少
USDA/WAOBは同日、2024/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表2)。
米国内生産量は、148億6700万ブッシェル(3億7764万トン(注1)、前年度比3.1%減)と前月から据え置かれた。
米国内消費量は、飼料等向けの下方修正により126億4000万ブッシェル(3億2107万トン、同0.3%減)と前月から下方修正された。
輸出量は、25億5000万ブッシェル(6477万トン、同11.3%増)と前月から上方修正された。他の輸出国に比べて比較的競争力のある米国産トウモロコシ価格を背景とした、EU向け輸出の増加予測などを反映したものとされている。
この結果、期末在庫は14億6500万ブッシェル(3721万トン、同16.9%減)と前月から下方修正され、前年度を大幅に下回ると見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、9.6%(同2.2ポイント減)と、同じく前年度を下回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.35米ドル(655円。1キログラム当たり26円:1米ドル=150.52円(注2)、同4.4%安)と前月から据え置かれた。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和7年4月14日発】
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