米国農務省による世界の大豆需給予測(2025年4月)
消費量は増加も、前年度生産量の上方修正から期末在庫は高水準を維持
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年4月10日、2024/25年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2058万トン(前年度比6.1%増)と前月から18万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルとこれに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれた。
輸入量は、世界全体で1億7941万トン(同0.7%増)と前月から21万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は1億900万トン(前年度比2.7%減)と前月から据え置かれた。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億5484万トン(同7.3%増)と前月から200万トン上方修正された。このうち、最大の消費国である中国は前月から据え置かれたが、ブラジルが前月から100万トン、アルゼンチンが同60万トン、それぞれ上方修正されたことなどが反映されている。
輸出量は、世界全体で1億8212万トン(同2.5%増)と前月から17万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルとこれに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれた。
期末在庫は、23/24年度ブラジルの生産量修正(前月から150万トン上方修正)などにより期首在庫が前月から272万トン上方修正されたことも反映し、1億2247万トン(同6.2%増)と前月から106万トン上方修正された。
今回の予測では、米国の生産量が据え置かれた中で、米国内消費量(搾油向け)の上方修正は行われたものの、期末在庫水準は市場関係者の事前予想範囲内とされたこともあり、米国の生産者販売価格は前月と同じく1ブッシェル当たり9.95米ドル(1498円、1キログラム当たり55円(注1):1米ドル=150.52円(注2))に据え置かれている。
また、今回の予測値に関して中国の輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した同年度の中国の大豆輸入量9460万トンとは引き続き乖離がある。米中貿易摩擦が報じられる中で、国際相場にも影響する同国の輸入動向が注目されている。
(注1)1ブッシェルを約27.215キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。
【横田 徹 令和7年4月14日発】
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